北上市議会 > 1991-12-11 >
12月11日-04号

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  1. 北上市議会 1991-12-11
    12月11日-04号


    取得元: 北上市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-04-30
    平成 3年 12月 定例会(第7回)平成3年12月11日(水曜日)議事日程第7号の4              平成3年12月11日(水)午前10時開議第1 一般質問(昨日に引き続き)---------------------------------------本日の会議に付した事件第1 一般質問(昨日に引き続き) ⑫                     64番 柴田八太郎君  1  黒岩地区ゴルフ場建設計画をどう考えているか。  2  夏油高原開発について   (1) スキー場建設のおくれをどうとらえているか。   (2) 開発工事による土砂の流入は、入畑ダムにどんな影響をもたらすか。   (3) 夏油高原開発に関して、国際興業との間に締結した2つの協定の扱いについて  3  水源保護水質保全等に関する条例の制定について ⑬                     31番 浅田哲心君  1  岩崎公民館(岩崎城)のライトアップ設備の活用等について  2  小規模桜並木の補完整備について ⑭                     9番 及川洋一君  1  幼児の問題について   (1) 市民の出生率はどうか。その増加を目指す対策は考えているか。   (2) 幼児が減る一方での保育園と幼稚園の今後の動向と対策はどうか。  2  市保有の「美術作品」等に関して   (1) 市が保有している美術作品は何点あるか。   (2) その中で、公開作品と未公開作品数を示せ。   (3) 美術作品有効活用策を検討しているか。   (4) 美術作品の管理体制は万全か。   (5) 県立美術館建設誘致に係るその後の経過と今後の具体的な取り組みを示せ。---------------------------------------出席議員(64名)   1番  金田ハルノ君     2番  根子信一君   3番  藤原義直君      4番  小原健二君   5番  小松久孝君      6番  佐藤安美君   7番  千田信男君      8番  昆野吉延君   9番  及川洋一君      10番  高橋清悦君   11番  高橋 功君      12番  高橋公生君   13番  伊藤嘉則君      14番  千田正雄君   15番  多田 司君      16番  菊池 昭君   17番  藤枝孝男君      18番  高橋民雄君   19番  小原 桂君      20番  高橋 明君   21番  高橋 俊君      22番  渡辺紘司君   23番  伊藤隆夫君      24番  菊池武實君   25番  及川幸太郎君     26番  及川淳平君   28番  菅原行徳君      29番  伊藤昭男君   30番  佐々木克巳君     31番  浅田哲心君   32番  菊池基行君      33番  千田三一君   34番  高橋徳蔵君      35番  小沢幸三郎君   36番  斎藤 績君      37番  中島高雄君   38番  八重樫真純君     39番  柏葉 明君   40番  川辺喜代志君     41番  高橋勝郎君   42番  鈴木健策君      43番  平野牧郎君   44番  石川正信君      46番  舘川 毅君   47番  伊藤輝雄君      48番  千葉昭孝君   49番  高橋右男君      50番  川村鷹志君   51番  菊池健造君      52番  高橋一夫君   53番  小原健成君      54番  高橋 功君   55番  高橋 孝君      56番  谷地畝幸吉君   57番  柏葉省一郎君     58番  菊池金助君   59番  田鎖助治君      61番  原田敬三君   62番  八重樫久一君     63番  高橋高志君   64番  柴田八太郎君     65番  松田清志君   66番  高橋賢輔君      67番  昆野市右ェ門---------------------------------------欠席議員(2名)   27番  伊藤安雄君      45番  佐藤幸男君---------------------------------------事務局職員出席者   局長     下屋敷勝哉君  次長     千田安雄君   議事調査係長 高橋 博君   庶務係長   松本 巖君---------------------------------------説明のため出席した者   市長     高橋盛吉君   助役     斎藤政憲君   収入役    菊池秀雄君   企画調整部長 小野信義君   財政部長   橘 晃司君   民生部長   山中丕之君   産業部長   小原教雄君   建設部長   高橋 茂君   福祉部長   及川文雄君   和賀支所長  堀内三郎君   江釣子支所長 伊藤 巌君   水道事業所長 名須川正夫君   教育委員会          高橋忠孝君   教育長    成瀬延晴君   委員長                  選挙管理委員   教育次長   小田島龍一君         千田長三君                  会委員長                  農業委員会   監査委員   横山耕造君          高橋雄幸君                  会長   企画課長   小原善隆君   総務課長   滝沢良徳君---------------------------------------      午前10時4分 開会 ○議長(昆野市右ェ門君) ただいまの出席議員数は64名であります。 定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。 本日の議事は、お手元に配付しております議事日程第7号の4によって進めます。 日程第1、きのうに引き続き一般質問を行います。64番柴田八太郎君。   (64番 柴田八太郎君 登壇) ◆64番(柴田八太郎君) おはようございます。 通告に従いまして、ただいまから質問を申し上げますが、どうも私の話し方には少々きついところがあったりして、お気に触るところがあるかもしれませんが、決して詰問というのではございませんので、よろしくお願いいたします。 ゴルフ場開発夏油高原開発に関しましては、これまで何人かの議員によって取り上げられてまいりましたが、私は、これまでの質疑応答を踏まえまして、現時点に立って質問を申し上げるものでございます。 まず、全国のリゾート開発の状況ですが、リゾート法が制定されてから4年しかたっておりませんが、現在、政府が許可したものに、申請が出ているもの及び準備中のものを合わせますと、全国で40件のリゾート開発が計画されております。その面積の合計は627万ヘクタールで、それは何と日本の総面積の6分の1である。九州、四国を合わせたよりも広いというのであります。この岩手にも国レベルの計画が2つあるほか、県レベルのものが3つあるということであります。これは表向きは地方が計画し、自治体が主役になって、第三セクターということで企業の力も借りると、こういうことで進められてきたと思っていました。ところが、実際はそうではなくて、最初から最後まで大企業が主役の事業になっているではありませんか。建設、鉄鋼、セメント、機械、電力、不動産、金融に至るまで、大企業集団がブロックを組んで自分たちの主導で事業を進める。自治体はただの出資者、金は出しても口は出せない。夏油高原開発にいたしましても、当市の出資額は2,400万円で、資本金総額の30%。30%では辛うじて監査請求ができるというだけであります。一方では、何十万、何百万、中には何千万という額のものもあるようですが、会員権を大量に発売して、開発資金をはるかに超える資金を集めて大もうけをしているのが現実であります。 こう見てまいりますと、リゾート開発というのは、地域開発のためとか、住民のためとかというよりは、大企業に大もうけの場を提供するためのものであって、第三セクターとは、開発者、大企業が事業をやりやすくするために自治体を利用する、そのための方便ではないのかという気がしてならないのであります。このことについて市長の御所見を承りたいと思います。 立花、黒岩、口内にまたがるゴルフ場開発については、ことし6月に昆野吉延議員からも質問があり、これに対する当局答弁では、土地利用計画上からの検討も必要と思うが、県のゴルフ場等規模開発行為指導要領に基づく事前協議書はまだ出ていないということでしたが、その後、この事前協議書なるものはどうなっているでしょうか。 また、同地域を住宅団地など都市的土地利用でいこうという構想は旧北上市時代のものであって、新市において策定される土地利用構想の中で見直す必要がある、こう申しておられました。その後のこの地域の土地利用構想はどうなっているでしょうか。 最近のことですが、黒岩農村集落会館におきまして、住みよい黒岩をつくる会準備会の主催による集会があり、講演も予定していると聞いて、私も駆けつけました。そこでは主に今問題になっておりますゴルフ場開発に話題が集中いたしました。参加された人たちによりますと、ゴルフ場開発は黒岩にとってはかつてない重大問題だ。我々住民にすれば、ゴルフ場だなんて余り必要のないものだ。ゴルフ場は自然破壊だの農薬汚染だのと公害をまきちらして、どこでも嫌われているじゃないか。最近では、県企業局が法律も条例も無視して職員用ゴルフ場をつくったということで、県議会で大問題になっている。松尾村でもゴルフ場開発に絡む贈収賄事件で大勢の議員が逮捕されて大混乱に陥っている。一体ゴルフ場って何だ、こう言っているのであります。 さて、これはけさの岩手日報ですけども、東山町に進行中のゴルフ場は、スポンサーである企業がバブル破綻で、白紙の状態になったと、こう報じられております。 黒岩の人たちは、先祖伝来の土地を手放してよいものだろうか、ゴルフ場が本当におれたちの暮らしに役立つのだろうか、こういった迷いや疑問が出されておりました。 また、地権者の中には、土地が売れればまとまった現金が入ってくる。厄介な山林の手入れや管理の必要がなくなる。ゴルフ場に農産物を高く売れるんしゃないか、地域の発展につながる、地価が高く売れるのではなかろうか、こういった期待の声も聞かれました。 また一方では、地価が上がれば固定資産税も上がる、農薬散布により飲料水や農業用水が汚染される、開発によって樹木がなくなって、雨が降れば増水、土石流などが起こり、水路、道路、田畑が荒らされる。それにも増して心配なのは、住民の間に利害対立が起こり、これまでの長い融和にひびが入るのではないかといった反対意見の人たちも少なからずあったようであります。 このようなことについては、既に市当局もよく把握しておられることと存じますが、こうした事態を踏まえた上での市当局の当該地域の土地利用構想はどうなっているのか、お知らせいただきたいと思います。 夏油高原開発についてお尋ねいたします。このことについては3月にも質問をいたしましたが、新市になって条件も変わりましたので、改めて御所見を承りたいと思います。 昨年12月の初めごろ、道路工事中の現場を見てまいりました。そのときの入畑ダムは、流入した土砂に染まって青黒く濁っていました。あの辺一帯は火山灰質の土壌なんだそうですが、そのためかどうか知りませんが、大雨のときなどは10立米もあろうかと思われる岩石が土砂と一緒に流れ落ちる、土石流の起こりやすいところなのであります。瀬美温泉の東、夏油川左岸の道路沿いには、随所に砂防堰堤が築かれていますが、あれはその土石流防止のためのものであります。 スキー場の建設現場は、長雨と台風によって土壌がぬかり、ブルドーザーも動きがとれず、工事は大幅におくれ、来年12月のオープンは絶望的ということであります。そのような状況なら、恐らく大量の土砂がダムに流入しているに違いありません。こんなことがこれからも続くとすれば、ダムの寿命とも言うべき貯水能力が急速に減退していくのではないでしょうか。申すまでもなく、入畑ダムは、北上、花巻、石鳥谷、紫波の4市町住民の生活用水の供給源なのであります。ダムの機能維持、貯水能力の確保等に支障はないのでしょうか。 次に、夏油高原スキー場等開発に関する協定についてお伺いいたします。なお、私がこれから申し上げる協定書の文言は、3月の私の質問に対する当局の答弁の中にあるものであります。 協定書の第3項に、「事業を円滑に実施できるように協力すること」とあるそうですが、これは行政の側が行う協力ということでしょうか、この協力とはどんなことを指すのでしょうか、これまでにどんな協力をしてこられたのでしょうか、お知らせいただきたいと思います。 環境保全に関する協定でありますが、「開発者は雨水以外の汚水、下水等について浄化装置を設置し、専用排水路を設けるなど万全の措置をとる。排水口における排水基準は、BODの月間平均値20ppm以下、最大30ppm以下とし、SSの日間平均値を50ppm、最大は70ppmとする」ということですが、この測定はどこのだれがやるのでしょうか。 和賀川河川敷ゴルフ場の場合は、化学的測定だけでなくて、排水のため池をつくり、そこに魚を飼って、常時監視できるようにする。また、経営者とは無関係の市の公害監視員が定期的に観察をすることになっているはずであります。水や草木の色、虫や魚など生物の状態からも異状を知ることができるから、こういうことが行われているわけですが、夏油高原開発の方はどういうことになっているでしょうか。 次に、公文書公開条例夏油高原開発に関する協定書の取り扱いについてお尋ねいたします。このことについても3月にお尋ねいたしましたが、あのときは、「協定は和賀町と開発者との間で結ばれたものであって、北上市には管理責任がないから、公開には文書の管理責任者との協議を必要とすると考える」、こういうことで口頭で内容を説明していただいたのであります。 さて、協定の当事者である和賀町は4月1日をもって北上市となって、したがいまして、協定書の管理責任者は新北上市となったものであります。そこで、改めて夏油高原スキー場等開発に関する協定書と、同じく環境保全に関する協定書の2文書を写しをもって公開していただきたいのでありますが、いかがなものでしょうか。公文書公開条例の規定からすれば、少なくとも市議会や関係機関、公害防止に携わる要員の皆さんには写しを配付してしかるべきものと考えるのであります。いかがでしょう。 最後でありますが、これまで申し上げてきましたように、ゴルフ場スキー場などのリゾート開発と、それらに伴う施設、設備等の建設工事を原因とする環境破壊、公害の発生といった事件が各地で相次いで起こっております。このことについて、3月議会で三重県津市の水道水源保護条例を紹介しながら、当市でもこのような条例が必要になっているのではないかということをただしました。最近になって隣の花巻でも、入畑ダムの状態からこうした要請があって、条例化を前向きに検討しているということであります。当市において検討をするというお答えをいただいておりましたが、その検討がどの辺までどの程度に進んだでしょうか。 上水道のように完備された浄水場から配水される水ならば安心なのでありますが、上水道がまだ普及していな地域の住民の安全を保障するためには、どうしても生活用水の安全確保、生活環境の保全を目的とする条例の制定が必要になっていると思うのですが、このことについての検討はどうなっているでしょうか。 以上で私の質問を終わります。 ○議長(昆野市右ェ門君) 市長。   (市長 高橋盛吉君 登壇) ◎市長(高橋盛吉君) 柴田八太郎議員の御質問にお答えいたします。 まず、第三セクターとはいかなるものかという御質問でありますが、いわゆる第三セクターは、国や地方公共団体が行う開発に際し、予算制度により制約されるマイナスと、一方、営利を目的とする民間事業では早期に施行されて目的達成が期待できるほか、経営のノウハウ活用等長短を相補い、開発事業を能率化して投資効果を大きくするために、両者の長所を生かす方法として、公・民共同により設置されるものということが定説となっております。 夏油高原開発についてでありますが、御承知のとおり、夏油高原開発は昭和56年以来、旧和賀町が、産業基盤の拡大、雇用機会の拡大、若者人口の定住化による活気あふれるまちの創出を図るため、良好な自然条件を有する地域に、スポーツ・文化活動等多様な活動に資するため、総合的な機能の整備を、民間の能力を活用し進めてきたものであり、市民福祉の向上に寄与するものと存じております。 次に、黒岩地区ゴルフ場建設計画についてでありますが、ゴルフ場開発については、ゴルフ場等規模開発行為指導要綱に基づき、開発業者が所定の手続を経て事業を進めることとなりますが、黒岩地区におけるゴルフ場計画については2業者からの申し出があり、北上地方振興局に対し情報として提供しているところで、要綱に基づく事前協議書の提出はまだ行われておりません。 次に、黒岩地区土地利用構想についてでありますが、御指摘のように、この地域は旧北上市において都市的土地利用の用途として考えておりましたが、新市におきましては、新市建設計画の都市整備の方針をもとに、これから策定される土地利用計画の中で定めてまいりたいと考えております。 黒岩地区では、自治協議会を中心に地域活性化の方策を種々検討されていると伺っていますが、その内容には幾つかの項目があり、ゴルフ場計画もその1つに入っておるということでありますので、地域住民を初め地権者の意向を十分見きわめ、合意形成が図られるならば、土地利用計画に反映してまいりたいと考えております。 なお、正規の手続の段階となった際は、要綱に基づき開発による環境への影響、計画実現の可能性等、問題がないかどうか十分チェックしてまいりたいと考えております。 次に、夏油高原開発についてでありますが、開発工事により土砂の流入が、ダムの機能維持、貯水能力確保等に支障がないかという御質問でございますが、スキーリゾートセンター駐車場等建設予定地には、土砂の流出を防ぐために砂利を入れた布団かごを設置し、木柵工で固め、その周辺に沈澱池を配し、さらに内鱒沢に貯砂ダムを設置するなど、細心の注意をもって開発を進めておりますので、ダム機能、貯水には支障がないというふうに考えております。 次に、汚水、下水等の測定はだれが行うかということでありますが、汚水、下水等の測定は、夏油高原開発株式会社が専門の環境計量士の資格を有する調査機関に依頼して測定するということになっております。 開発に関する協定書にある行政側の協力とはどんな内容かということでありますが、開発の根幹をなすものとして道路が挙げられますが、市道岩沢夏油温泉線道路改良舗装工事が行われており、また、県道江釣子夏油温泉線の改良工事も進められております。 次に、水源保護、水質保全に関する条例の制定について検討はどうなっているかということでございますが、このことについては、検討の結果、その前に法律がありますが、さらに県の公害防止条例自然環境保全条例等を含めた現行法令の適正な運用によって対応できるものと考えますので、特に新たな条例制定の必要はないというふうに考えております。 その他につきましては、担当部長に答弁をいたさせます。 ○議長(昆野市右ェ門君) 産業部長。   (産業部長 小原教雄君 登壇) ◎産業部長(小原教雄君) 協定書2件の公開についての御質問でございますが、この協定書については公開できます。その際には、契約の相手方の同意を得て公開をするということになってございますので、あらかじめ相手方には聞いておりますが、内容については公開してもいいということがございますので、正式な手続をとった際には、公開ができるということでございます。 以上でございます。 ○議長(昆野市右ェ門君) 64番。 ◆64番(柴田八太郎君) まず、公文書公開条例ですけども、今の答弁では、相手方の同意を得て正式な手続の上でと、まことに慎重な手続が必要なようであります。どうしてそんな面倒なことがあるのか。公開条例の第3条に、公開を求める市民の権利が十分に保障されるようにこの条例を解釈し運用するものとする、こうあるんですよね。今の答弁でも、私が今まで感じてきた、さっきの質問でも申し上げましたけれども、開発者に対する、この協定を結んだ相手方に対する遠慮というか、はばかりというか、大変強いものがあるように感じられるんですよ。市民の権利の方が大事なのか、営利を目的にここへ乗り込んできた相手の方が大事なのか、そこらあたりをはっきりして当たるべきであると思うんです。 それで、正式な手続というのはいつやるんですか。そして、いつ市民の前にこの文書を公開できるような措置をとるんですか。まず、そのことを。 黒岩地域のゴルフ場の計画については、県の方に申し入れのようなものが行っている、情報としてわかっているという程度のように聞こえましたけれども、さっき申し上げましたように、地元の方では大変大きな問題になっている。住民の皆さんの生活上にもかかわる、住民にとってはかつてない重大問題だというふうに言っているんですが、住民の生活に責任を負うはずの市当局が、まだその程度の情報しか得ていないのか。そんなことじゃなしに、もう何らかの対策がとられていなきゃならぬはずだと思うんですが、その辺のところをもう一度お答え願いたいと思います。 それから、夏油高原の方ですけれども、駐車場であるとかリゾートセンター、こういったようなところに土砂流出の防止策が講ぜられることになっている、こういうことなんですけれども、だから、それで大丈夫、安心していていいということなんですけれども、それは国際興業ですね、相手方の方の説明を聞いてそう思っているだけじゃないんですか。さっきも申し上げましたように、出資額からすれば監査請求ができる程度、住民の健康や命に責任のある行政の側として、そんなことでいいんだろうか。もっと突っ込んでしっかりとした確認ができるものが必要なのではないのか、こう思うんです。どうでしょうか。 また、公害防止について、水源保護などの自然環境保全、こうした内容の新しい条例について、さっきも申しましたけども、上水道の普及している地域はいい。ところが、そうでない、まだ地下水を利用している方々にとっては、これは不安ではないのか。こういう人たちが全然不安がないんだという、そう言い切れるでしょうか。まず、以上です。 ○議長(昆野市右ェ門君) 市長。 ◎市長(高橋盛吉君) 黒岩のゴルフ場計画については、先ほど申し上げましたように、正式な届け出はまだありませんが、情報はいろいろ収集をいたしております。いずれにしても、ゴルフ場開発ということになりますれば、十分不安のない建設ということを徹底させる必要があると思うし、その前に、先ほど申し上げましたように、地域住民の合意形成の上で、十分見て対応してまいりたいというふうに考えております。 それから、夏油高原開発スキー場開発の公害対策については、説明を聞くだけではないかということですが、これは私も現地を見ておりますし、これらの施設が現実に建設されている状況は写真等にも撮って、十分確認をしております、 なお、お説のとおり、今後もこれらの対策に万全を期するように指導をしてまいりたいというふうに考えております。したがって、地下水利用の面でも不安がないというふうになっておりますし、これからも徹底してまいりたいというふうに考えております。 その他につきましては、部長から答弁をさせます。 ○議長(昆野市右ェ門君) 企画調整部長。 ◎企画調整部長(小野信義君) 協定の公開につきまして、条例との関連で申し上げたいと思いますが、公文書の公開条例は、これは平成3年の4月1日からの公文書について定めているものでございます。したがいまして、当該協定書につきましては、条例と関係なく、申し出により個別に公開に対応してまいりたいと、そのように考えます。 ○議長(昆野市右ェ門君) 64番。 ◆64番(柴田八太郎君) 協定書の公開、これはいつごろに実現できるのか、お答え願いたい。 それから、黒岩の問題については、たびたび申し上げましたように、住民の間にいろんな意見がある。賛成の人もあれば、はっきりと反対だという人もある。迷っている人もあれば、こういった中で話が進んでいるわけですから、そして、さっきも岩手日報の記事を紹介しましたけれども、東山町のようなこともあれば、いろいろある。住民の皆さんが惑うことのないように、当局として指導が必要だと思うんですが、どうでしょう。 それから、スキー場の方、土砂崩れとか入畑ダムヘの土砂の流入というものを防止する対策が十分だというふうに市長は言うけども、私もことしも行って見てきたんですが、去年やったばかりの道路の擁壁の部分ですね、もう早くも土砂崩れになっているというところが随所に見受けられたんです。ですから、業者側の言うのを真に受けてばかりいたんでは、これは十分とは言えないんじゃないか。市当局としても、担当の職員を何日に1回か派遣をして、そして監視するというか、指導するというか、そういう措置をとるべきではないのか、その辺はいかがでしょうか。 それから、公害防止のための検査、こういったものは調査機関に委嘱をして確認をするということのようですけども、これはどういう機関でしょうか。その業者、開発者との関係はどうなんだろうか。ということは、開発者の方の息のかかった機関だと、少々のことは大目に見るというようなことになったら、これはもう全く効果のないことなんで、そこあたりのところはどうなんですか。 以上です。 ○議長(昆野市右ェ門君) 市長。 ◎市長(高橋盛吉君) 黒岩の課題につきましては、自治協議会等が中心になって地域としての全体の計画の取りまとめをやっておるということでございますので、その説明も十分聞き、また、住民のコンセンサスが得られるかどうかということも見きわめながら、必要な指導あるいは対応をしてまいりたいと考えております。 それから、公害防止のための開発業者の対策、措置については、今後も十分万全を期するように指導してまいる考えでございます。 それから、水質等の調査で、調査機関と開発業者とはどういう関係かということですが、これはまだ選定されていないと思いますが、いずれにしても、これは国の資格を取ってやっておるわけでありますので、その点は問題はあり得ないと思いますが、なお、これは市としても必要な検査、調査を実施していくことも考えるということにいたしたいと思います。 ○議長(昆野市右ェ門君) 企画調整部長。 ◎企画調整部長(小野信義君) 協定書をいつごろから公開できるのかということですが、先ほど申し上げましたように、個別に公開するということでございますので、申し出があれば公開申し上げたいと思います。(柴田議員「現場に職員を派遣するということは。」と呼ぶ) ○議長(昆野市右ェ門君) 休憩いたします。      午前10時49分 休憩---------------------------------------      午前10時52分 再開
    ○議長(昆野市右ェ門君) 再開いたします。 市長。 ◎市長(高橋盛吉君) 道路は市道あるいは県道として整備しておりまして、工事中に土砂崩れがあったことも事実でありますが、それは市の事業、県の事業として修復しながら工事を進めております。私が先ほどの御質問にお答えしたはずでありますが、業者の開発に伴う公害防止工事については、今後とも十分現状を把握しながら万全を期するように指導してまいりたいと。これは先ほど申し上げたとおりであります。 ○議長(昆野市右ェ門君) 64番柴田八太郎君の質問を終結いたします。 休憩いたします。      午前10時53分 休憩---------------------------------------      午前11時6分 再開 ○議長(昆野市右ェ門君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 31番浅田哲心君。   (31番 浅田哲心君 登壇) ◆31番(浅田哲心君) 私は、さきに通告しておりました2件について質問いたします。 最初に、岩崎公民館(岩崎城)のライトアップ用照明設備の活用などについてお伺いいたします。 新しい北上市のスタートに当たり、市長より施政方針演説の冒頭、融和と前進を基本姿勢にして積極的に市政に取り組むとの決意のほどを伺ったわけであります。そのため、融和の精神により、新市の一体感の醸成を図ることが大事であり、特に地域特性を十分生かしたまちづくりを強調されました。 さて、このような中で、和賀氏最後の居城であった岩崎城址は、役場当局の御配慮により、野球場、陸上競技場が完成し、市民の運動公園あるいはレクリエーションの場として整備されてきており、深く感謝いたしておるところであります。ただ、本丸跡に、昔をしのび天守閣様式的な建築の岩崎公民館が建設されておりますが、建設当時は建物をライトアップできる設備があり、美しい天守閣風の軒が夜空に浮かぶ幻想的な照明はすばらしいということで、新年、お盆などに点灯し、大変話題となりました。その後、利用することが少なく、宝の持ちぐされのような形になっております。最近では、去る3月31日、「ワッカはひとつ」の合言葉で行われた3市町村合併の前夜祭に、鬼柳、三十人町、江釣子、藤根方面からも広くライトアップの状態がながめられることから、点灯されたぐらいと記憶しております。 ところで、たまたま兵庫県姫路城のライトアップ作戦というタイトルの10月26日読売新聞を見て、大変感銘を受けたわけです。年間300万人の観光客が訪れる姫路城の人気も、最近陰りが出てきたため、姫路市では城の夜間照明を工夫することで、まちのシンボルの新しい魅力を引き出す計画を立てたとあり、さらに戸谷市長談として、ヨーロッパを視察して感じたことは、夜、市民がまちを散歩したくなるような照明演出が工夫されておることだ、これからはライトアップによって、家族連れでナイトライフを楽しめるまちづくりが必要だとの談話が掲載されていたわけであります。 そこで、私は、新市西の玄関口として、来年早々の鬼ッズフェスティバル、第8回目となる夏油高原マラソン、第10回目となる岩崎城絵旗まつりなど、市民挙げて参加されるいろいろなイベントの開催時、あるいは夏油温泉郷の入り込み客、入畑ダム周辺の観光客の最も多いと伺っている週末日などに、岩崎公民館(岩崎城)をライトアップする照明設備の活用こそ、地域特性を生かした魅力あるまちづくり、さらには観光PRにもつながるものと考えるわけであります。 また、岩崎公民館(岩崎城)をライトアップする照明の点灯などの操作は、現在、手動で行っておるわけですが、点灯時間帯が自由にセットできる自動点滅装置への改良も必要と考えますが、当局の御所見をお伺いいたします。 次に、小規模な桜並木の補完整備についてお伺いいたします。 新生北上市の誕生により、市の花島木が新たに選ばれ、木については桜が指定となり、既に広報きたかみ8号に掲載されております。そして、その理由として、桜は市内各地に見られる身近な木で、特に展勝地公園の桜並木は全国的にも知られており、北上市を象徴するにふさわしい木とされております。 そこで、私は、新生北上市の桜のさらなるイメージアップを図るためには、大規模な新たな桜並木の造成、あるいは展勝地のような大規模な桜並木の老化対策も大変大事でありますが、同時にまた市内の小規模な桜並木の補完整備も大事であると考えるわけであります。それがやがて市民の一体感の醸成につながるものと考えます。 まず、具体的には、夏油川沿いの桜並木であります。夏油川の岩崎橋より上流堤防には、昭和39年ごろに、環境整備の一環として、役場当局初め関係機関の御配慮をいただき、桜の植栽を行ったと聞いております。当時は堤防沿いに桜の花の下は地域の憩いの場、あるいはコミュニケーションの場として大変喜ばれました。その後、河川の改修あるいは風雪により桜の木が少なくなり、現在では4本ばかりの大木が残っており、まことに寂しい状況であります。以前は、河川管理者は堤防沿いの補完植栽についても大変厳しく、難しいようでありましたが、最近では、水を生かしたアメニティの形成などいろいろと配慮されてきておると伺っております。このようなことから、地域では当時のような桜並木の再現を願っており、健康づくりの最適なコースとも言われております。また、市内には類似箇所もあろうかとも考えますが、市長の御所見をお伺いいたします。 ○議長(昆野市右ェ門君) 市長。   (市長 高橋盛吉君 登壇) ◎市長(高橋盛吉君) 浅田哲心議員の御質問にお答えいたします。 まず、岩崎公民館の照明設備についてであつますが、岩崎公民館の照明設備は、昭和47年に施設の管理及び防犯用として4灯設置されたものでありますが、ライトアップについては、地域行事の絵旗まつり、盆踊りの際には、地域の要請に応じ管理人が対応してきておるところであります。なお、設備は点滅等の操作が手動式でありますので、管理の面から常時使用が難しい状況であります。岩崎公民館付近には運動公園並びに入畑ダム、夏油温泉郷への観光道路が位置しており、また、秋田横断道北上和賀間が平成5年ごろに供用開始されることから、照明設備の改修等管理面の整備を図りながら、観光面でも有効に活用できるよう、施設管理者と協議を進めてまいりたいと考えております。 次に、小規模桜並木の整備についてでありますが、展勝地の桜並木は、建設省の手づくり郷土賞の受賞や日本さくらの会の桜の名所100選の認定などを受けて、今や全国的に名が知られ、桜のシーズンには多数の観光客でにぎわっております。市内の桜は、規模や種類は別として、市立公園展勝地のほかに飛勢城址、大堤公園、黒沢尻北公園、夏油温泉などのほか、地域に親しまれている名所がたくさんあると思いますが、北上さくらの会の10周年記念事業の一つとして、市内桜マップを作成することで、市もこれに補助をし、さくらの会で今取り組んでおり、3月には完成の見込みでありますので、都市基本計画、緑のマスタープランの策定に当たってはこれらも参考にし、市内どこでも桜が見れるような計画を立てたいと考えております。また、現在、江釣子地内の和賀川堤防には、桜堤環境整備事業により桜の植栽をしておりますが、今後も他事業との調整を図りながら、条件が整っている地区については、これらの事業の導入を図ってまいりたいと考えております。 御指摘のように、最近は河川の堤防等にも風景をよくするというためのいろいろな施策が織り込まれやすくなっておりますので、堤防の桜並木についてもできるだけ各地で進めたいと思いますが、これにはいろいろな制度もありますが、市民の自主的な活動によって整備するということも考えられますので、いずれ、全体としての推進に努めてまいりたいというふうに考えております。 ○議長(昆野市右ェ門君) 31番。 ◆31番(浅田哲心君) 岩崎公民館のライトアップ用の照明に関係しますが、設備が約20年近くなっておりまして、相当な年月が経過しておりますので、電球も少しずつ性能が低下してきております。そこで、地元では北上市合併を機に何とかさらに明るい電球に交換できないものかというような声がございますので、これを御要望申し上げまして、終わります。 ○議長(昆野市右ェ門君) 31番浅田哲心君の質問を終結いたします。--------------------------------------- ○議長(昆野市右ェ門君) 9番及川洋一君。   (9番 及川洋一君 登壇) ◆9番(及川洋一君) 私からは、幼児の問題と、それから美術作品にかかわる問題についてお尋ねをいたします。 最初に、幼児にかかわる問題についてでありますが、この問題を取り上げるに至ったゆえんをまず申し上げたいと思います。 今、社会問題として大きくクローズアップされているものの中で、私が一番気にかかっているのは、何といっても高齢化社会への対応策であります。このほかにも問題になっていることを並べてみますと、農業問題とか商業問題、あるいは環境の問題などいろいろ大きな課題がたくさんあるわけですが、何といっても一番最初に頭に浮かんでくるのが、この高齢化の問題であります。このことにつきましては、国も、県も、市も、そして民間も積極的に取り組んでいるのではありますが、こうすれば安心して長寿社会を送れるというはっきりした将来ビジョンがなかなか打ち出せず、せいぜい国が平成元年に作成した高齢者保健福祉推進10カ年戦略、これはゴールドプランと呼ばれているものなんですが、それに沿って動き回されているという感じがするだけなのであります。 確かに、この問題について勉強してみますと、余りにも広くて、余りにも奥が深くて、その方法や対応が四方八方に広がっており、その政策や考え方の変化も大変激しいことに気がつきます。そういうことから判断してみますと、将来的な方針が簡単には立てにくいという現状であることも確かであります。 少し本題から話が遠のいてしまいましたが、要するに、そうした中でこれからの高齢化社会対策を考えるとき、どうしても避けて通れないのが、この子供の問題であります。特にも、最近の出生率の減少は、将来に大きな不安を残しておりますことにぶつかってくるのであります。将来のまちづくりを担い、将来の超高齢化社会をしっかりと支えていただかなければならない子供たちがなかなか生まれてこないというところに、長い目で見た将来の長寿社会を構築できないポイントがあるような気がするのであります。 なぜ子供が少なくなってきたんでしょう。なぜ子供を生まなくなってきたんでしょうか。最近のマスコミ報道によりますと、女性が一生に子供を生む数は、これは正式には合計特殊出生率と言うんだそうですが、わずかに1.53人なんだそうであります。つまり、長男長女時代を通り越して、もう一人っ子時代に突入してしまったということであります。 一人っ子時代ということは、単純に考えますと、次のようなことが頭に浮かんできます。 まず、その子が大きくなって、相手を見つけようと思ってもなかなか見つからない、見つけにくい。あるいは何とか幸いに一人っ子同士がめぐり会って結婚したとしても、またまた一人っ子が誕生する。そうなれば、その生まれてきた子供にとって、当然、おじいさん、おばあさんと名のる人が双方に2人ずつ健在なのであります。その上、人生80年時代でありますから、ひいじいさんあるいはひいばあさんと言われる方々が生きていても、決して不思議ではないわけです。ですから、物理的には1人の子供に、じいちゃん、ばあちゃんと呼ばれる人が12人もいるということになるわけです。これが一人っ子時代の現実なんだと思うと、一体、将来はどうなってしまうんだろうかと心配が募ってくるのであります。 また、周りを見渡してみますと、結婚適齢期になっても結婚しない男性や女性が何と多いことか。この現象にもびっくりしてしまいます。この傾向は、何も当市に限ったことではないようでして、先月末に発表された国勢調査の集計結果を見ましても、未婚率が非常に高くて、しかも年ごとにふえているということでありますから、驚いてしまいます。 さて、このように結婚しない人たちがふえたり、あるいは結婚しても子供は一人っ子しか持たないということになりますと、日本の未来はどうなるのか。少し大げさに言いますと、高齢化社会対策などということをはるかに通り越して、日本人の滅亡という危機感さえ漂ってしまうのではないか。 では、どうすればいいのだろうか。正直言って、この解決策は大変難しくて、私にも考えが浮かんできません。それは、男と女という非常にデリケートな関係であるばかりではなくて、それぞれの人権とか自由意思といったようなものを尊重し、その個々のプライバシーを侵害してはいけないという大原則があるからでありまして、機械的には片づけられない面が秘められているからであります。だからこそ、これまで問題点が見えながらも、行政としても入り込めない分野ではなかったのだろうかと思います。 しかし、こうしてお年寄りがふえ続け、子供が減り続けるという、この極端な逆転現象を現実の問題としてとらえるならば、行政のやるべき範囲外だとして安閑としてはいられなくなってきたのではないんでしょうか。また、主権在民と言われておりますように、まちづくりの主役が住民であるのであれば、その人口構成を絶えず適正に把握しながら、バランスよく維持していくという努力が必要であって、そうした面からも非常に重要な問題であると考えさせられるのであります。果たして、当市の場合はよそに比べてこの幼児の占める割合はどうなっているんでしょうか。そして、出生率はどうなっているんでしょうか。さらには、今後の考え方や対策について市長の所見を伺いたいと思います。 次に、定員割れが続いている保育園と幼稚園について触れてみたいと思います。 市内には、公立と私立を合わせますと24館の保育園と、これには児童館も人っていますが、それに12館の幼稚園があります。このいずれもが地域の子供たちの保育や教育に大変大きな役割を果たしていることは言うまでもありません。特にも、延長保育とか障害児の保育にも力を入れるなど、地域住民の要望にこたえるべく努力していることは、高く評価できると思います。 そこで、これからもますます充実していただきたいということを希望しながらお尋ねをするわけですが、保育園や幼稚園への入園数が年々減ってきて定員割れが続いていることが、何としても気にかかるのであります。先ほども申し上げましたよう、全体的に子供の数が減ってきているのでありますからやむを得ない現象かもしれませんが、歯どめがかかる見通しはないものでしょうか。もしも、どんな見地から見ましても定員いっぱいに戻るという見通しが全く立たないというんでしたら、その運営や規模も当然見直す必要があるのではないかと思われるのであります。 御承知のように、保育園と幼稚園は本質的に異なるものであります。行政側の担当も、片や児童福祉法に基づいて福祉部が管轄しておりますし、一方は幼児教育の一環として教育委員会が管轄しております。そのほかにも設置基準だとか、予算の出どこだとか、あるいは職員の資格等々、何から何までいろんな面で違うのですが、実際の現場をのぞいてみますと、思ったほど違ったところがないのであります。外見上違っているところをあえて挙げようとすれば、名称が違うことと、お帰りの時間が遅いか早いかということぐらいなのであります。だとすれば、その地域の実態や将来性を考えて、両方の長所を生かして統廃合や新改築といった見直しを検討してもいいんじゃないかと思うんですが、当局のお考えをお聞きいたしたいと思います。 今、子供たちを囲む環境は急激に変わりつつあります。その1つに、世帯規模の縮小や共働き家庭の増加などで家庭における養育機能が低下してしまったということが挙げられます。核家族化も加わって、世帯人員の平均が3人から4人という現状では、家族同士が助け合って生きていくという機能が弱くなりましたし、祖父母から親へという育児の世代間伝承も現代では難しくなってきたと言われております。 そうした家族のきずなの弱体化は、離婚率の増加という面にも結びついているような気がしてなりません。     こうした状況を考えるとき、保育園や幼稚園の果たす役割というものは大変大きいと言わざるを得ません。 厚生省が出している保育所保育指針というものを見ますと、保育園というところは、家庭や地域と連携をとりながら家庭教育を補うところだとしております。また、文部省の幼稚園教育要領では、幼稚園というところは基本的な生活習慣や態度を培うところだとしております。このことは、表現は違っても、言わんとしているところは同じであって、いわゆる本来家庭でやるべきはずのものを、時の流れとともにその機能が失われつつあるから、保育園や幼稚園でその役割を担ってほしいんだと、そういうことだと思います。 そこで、こうした役割を果たすためには、保母さんや先生といった面への配慮が大変重要になってくるのではないかと思います。そこで、現場を歩いてみますと、この世界の第一線で働いている人はほとんど女性であります。なぜ男性がいないのだろうと不思議に思います。家庭や地域の機能を持たせながら、人間形成の基礎を学ばせようとするのであれば、男性も当然必要ではないかと思います。子供を育てるということは女性だけの仕事と決めつけないで、男女共同による新しい保育を創造していかなければならない時代ではないかと思われます。新しい時代への新しい対応策の一つとして、まず、公立の施設で思い切って男性を採用するということを実現し、私立のお手本になってはいかがでしょうか、御所見をお伺いいたします。 次に、施設利用についてであります。 保育園にしろ幼稚園にしろ、子供の数がどんどん減っていくということは、その分、施設も余ってくるという現象が生じてくるわけであります。もちろん、このことは年齢別にクラス編成をしているそうでありますから、人数が減ったからといって、その分、比例して空き部屋が生じてくるという単純計算にはならないわけですが、いずれにしても、減少傾向が長く続きますと、部屋が余ってくるということは当然予想されるわけであります。仮にそうなった場合に、その空き部屋を老人センターなり、あるいは老人集会室なり、老人のミニ福祉施設として再利用できないだろうかというのが私の考えであります。今、各地で保育園や幼稚園で空き部屋がふえる傾向であり、逆に高齢化の進展とともにお年寄りの施設が追いつけない状態でありますから、この両者の悩みを解決できる方法の一つとも言えると思います。そして、同じ棟に老人たちと子供たちが同居するということは、大変効果があるんだそうであります。よその自治体では取り組んでいるところがあって、大成功しているという例を幾つも耳にいたします。当市でも直面するであろう課題の一つとして取り組まなければならない時期がそう遠くないように思いますが、どのような所見を持っているのか、お伺いをいたしたいと思います。 次に、市が所有している美術品に関することについてお伺いいたします。 私はこれと似たような質問を2年ほど前の旧北上市議会において取り上げた経緯があるわけですが、その後の取り組みに対する確認や、あるいはまた新市誕生によって新たな疑問点もございますので、改めてお伺いいたしたいと思います。 先月の文化の日を境にして、当市内でもいろいろな文化行事が繰り広げられました。特にも、美術作品の発表会は、北上地区の総合美術展を初めとして和賀町地区でも、そして江釣子地区でも開催されましたし、各地域の公民館でも独自に開催されるところがあるなど、それはそれは圧巻そのものでありました。 市民の美術に寄せる関心の高さと、実際に美術品の創作に携わっている市民がこれほど多いのかと、その層の厚さというものを思い知らされたような気がいたします。そして、その作品の1つ1つから、芸術的な価値観ということよりも、むしろ楽しみながら作品に向かっている作者の心というようなものがひしひしと伝わってくるのであります。まさに庶民芸術の豊かな心に浸ることができたのでありました。 さて、そうした文化行事に出会うたびごとに気にかかりますことは、市で持っている美術品は一体これからどのようにしようとしているんだろうかということであります。一部は展示公開をして活用しているようでありますが、倉庫の中で眠っている作品も相当多いと聞いております。しかも、名の知れたプロの作家が制作したものばかりだといいますから、大したものだと思います。果たして、全部でその数は幾らぐらいあるんでしょうか。旧北上市の分だけでも相当数に上るはずでありますから、現時点ではびっくりするほど多い数になるだろうと思います。そして、その中で展示公開している作品は何点なのか、しまい込んでいる作品は何点あるのか、教えていただきたいと思います。 ことしの市民総合美術展では、市が保有している作品の中から、萬鉄五郎氏の絵が何枚か特別展示されておりました。感動しながら拝見させてもらいましたが、やはり美術品というものはこうして人前に飾って初めて価値があるのであって、しまっておいたのでは、幾らすぐれた作品でも何の意味も果たせないのであります。これからも機会あるごとに展示公開することを希望いたしますとともに、欲を言えば、何とかして常時展示しておくことができないものだろうかと念願してやみません。例えば、市内の人が集まる公共施設に分散して展示しておくことも一つの方法だと思います。各地区にある公民館を初めとして詩歌文学館やコンピュータ・アカデミー、サンレック、ヤングステーションなどといった施設がたくさんありますから、検討してみてはいかがかと思います。 また、美術作品は人間の心に精神的なゆとりと充足感を与えてくれるということでありますから、福祉施設とかあるいは医療関係の施設といったところに飾ることもよいと思います。ともあれ、心の栄養源であるこうした美術品を有効に活用するためにも思い切った方針を打ち出すべきだと思いますが、御所見をお伺いいたしたいと思います。 一方、現在展示されている作品を見渡してみますと、市長室とかあるいは議会棟とかといった、一般市民が余り出入りをしないところに飾っているものが意外と多いことにも気がつきます。市民サイドから見ますと、特別の人たちだけのために飾っているという悔しさのような気持ちが生まれてきても決しておかしくないと思います。しかし、だからといって、こうした特別室には少し程度のいい作品を1つか2つ飾っておかないとさまにならないわけでありますから、取り除くというわけにはいかないと思います。 そこで、常時展示しておく場所をもっともっとふやして、半年ぐらいずつでも、その飾ってある作品を可能な範囲内において変えるという方法はいかがなものでしょうか。レベルの高い芸術作品のすばらしさを、飾る場所を巡回することによって1人でも多くの人にいろいろ触れさせるという方法がいいと思うんです。教育の村を宣言していた旧江釣子村では、役場内において1部屋に1枚の絵をという運動を繰り広げたこともあるそうであります。豊かな心をはぐくむ文化行政として大変すばらしい配慮であり新市でもそうした考えをぜひとも継承してほしいと願うものであります。 次に、管理体制についてお伺いをいたします。 美術品の管理はそう難しいことではないと言われておりますが、温度とか、湿度とか、あるいは手入れの方法など細かいところに気を遣わなければならないということから、専門的な知識が少し必要だと言われております。当市の場合はいかがでしょうか。私の見る限りにおいては、必ずしも満足のいく形をとっていないような気がいたします。 まず、管理する担当課が1つになっていないということが言えると思います。美術品の寄贈を受けた課、あるいは購入した課等が直接に管理している例が多いようですから、それぞれ独自の判断で管理しているわけであります。ですから、しょっちゅう手入れをしているところもあれば、全くほったらかしにしているところもあるようであります。また、管理基準といったようなものをはっきりと決めておりませんから、単なる備品として扱っているところも多く、貴重な芸術作品であるという扱いにはほど遠いような気がいたします。 私は、美術品の中でも彫刻などの立体像に大変関心がありますので、屋外に建立されているブロンズ像の中から例を挙げてみたいと思うんですが、展勝地の生みの親である沢藤幸治氏の銅像がみちのく民俗村の入り口に建っております。この作品は昭和48年に建立されたものでありますから、既に18年も風雨にさらされております。ですから、表面は変化し、変色し、見る影もなくなっております。あれは青銅の一種でありますから、建立後しばらくしますと、化学変化によって緑素が噴き出してくるのは当然であります。その緑素が噴き出したころには、作品に一段と貫禄がついて、見る目を楽しませてくれるものですが、それが過ぎると古ぼけた感じが強くなって、みすぼらしく見えてくるものですから、鋳造の専門業者にお願いして塗りかえるのが普通なのであります。 市の本庁舎の玄関わきに建っている「水浴」というブロンズ像も、同じように彫刻作品としての風格が失われつつあります。また一方では、北上駅前に建っている「笛と女」というブロンズ像は、これはまた手入れがよくて、いつ行ってもピカピカと光っているのに驚きます。しかし、残念なことに、素人的発想のもとに手入れをしているものですから、せっかくの手入れが逆効果になっていることがとても惜しいのであります。話によりますと、油類で定期的に磨いているようですが、彫刻作品の場合には、表面的な美しさよりも内面に秘めている複雑な要素というものを訴えるというところに価値観があると言われておりますことから、余りピカピカ光らせるのは好まれないのであります。 このように、手入れ一つとっても全くちぐはぐでありますし、方法にも専門的な配慮がないために、大変不満が残るのであります。改善の一つとして、美術品を扱う課をまず一本化するべきだと以前に提言いたしましてから少しは改善されておりますが、まだまだ納得のいく形にはなっておりません。文化都市北上をも目指していることでもありますから、内外に恥じない今後の取り組み姿勢について、積極的な御所見をお伺いいたしたいと思います。 次に、県立美術館の誘致問題についてお伺いをいたします。 ことしの県への要望事項の中に、県立美術館の建設誘致をうたってくださったことは関係者の喜びとするところであり、今後の期待が大きく膨らんでくるのであります。しかし、この運動はまだまだ市民の中には浸透しておらず、行政や関係者の一部だけで旗を振り回しているといった感が否めないのであります。そこで、全市民が何かのアクションを起こしてくれるようなり-ドが今後は必要になってくるのではないでしょうか。 県立美術館を岩手県にも欲しいという運動は、建設促進の会というものをつくって、20年以上も前から続けてまいりました。しかし、県の姿勢はかたく、県立博物館の中に美術館機能を備えてあるからという理由で、全く話にならなかったのであります。しかし、2年ほど前に県教委は、次期教育基本計画に向け検討したいと前向きの発言をしたことに始まって、この運動は一気に盛り上がったのであります。今、県立の美術館を持っていない県は、多分、本県を含めてもわずかに3県であると思われます。これほどまでに美術館が普及し、文化行政上なくてはならない存在になったものですから、ようやく本県でも腰を上げたものだと思います。 そこで、なぜ美術館が必要なのかということですが、いろんな見方、考え方があると思いますが、私は次の3点ではないかなと勝手に思っております。 1つは、物の時代から心の時代を望むようになって、文化もにぎやかな中央文化より落ち着いた地方文化の方がより好まれるようになって、その土地の特色に合った拠点が欲しくなったということが言えると思います。 2つ目は、暮らしが豊かになって、見るだけの文化から実際に自分で創作したりするという行動的な文化を体験するようになって、それなりの環境整備を求めるようになったからだと思います。 最後の3つ目は、県民が制作したすぐれた作品や、県にゆかりのある作家の作品が、美術ブームなどによって、県内にとどまらないで県外など手の届かないところへ流れ出ているという現実を何とか阻止しなければならない。そして、1日も早くこれらを一堂に会して、住民の目を楽しませながら感性を養いたいという意欲が芽生えてきたからではないかと思います。 こうした背景を考えながら実現の可能性を探ってみますと、なかなかの難題があることも確かであります。 まず、建物の規模に係る問題があります。美術館というものは、御存じのように、絵画や書などを展示する壁面と、彫刻などを並べる広間さえあれば事が足りるということではないのであります。一般住民が自由に出入りをして創造活動ができる場を併設しなければ、今のニーズには合わないでしょうし、特別展などを開催できるイベント広場も別個に設けなければなりません。そして、美術館の特色は、何といっても心豊かなのんびりとした雰囲気を味わうことが必要でありますから、ぜいたくと思えるほど空間が要求されるということであります。このほかにもまだまだ難しいことが考えられるわけですが、まず、このことをクリアすることが大切だと言われております。 そこで、当市に誘致させるためには、こうした問題点を解決するためのお手伝いを積極的にやる。例えば広々とした土地を今から確保しておいて、県が欲しいと言ってきたときに、いつでも譲れるようにしておく……。 ○議長(昆野市右ェ門君) 質問だけを基本をまとめて。 ◆9番(及川洋一君) (続)そんなことが望まれると思います。かつて旧和賀町では、郷土にゆかりのある作家の作品を購入することに努力してきたそうであります。その中には大作もあって、普通のところには到底展示できない作品もあると伺っております。購入した目的は聞いておりませんが、多分、町民の創作活動に喚起を促しながら、将来、建設されるはずの鬼の館に飾ったりする目的だと思いますが、美術館建設構想も、その当時、町長の腹の中にはあったのではないかなと仮に推測してみますと、まさしく、今その機運が盛り上がっているときだけに、的を得た施策であったことを私は評価したいのであります。 御承知のように、どこの市町村でも、こうした県立の施設が欲しいのでありますから、この美術館についても、構想が具体化してくるにつれて各市町村の誘致合戦が繰り広げられることでしょう。お隣の花巻市などでは、宮沢賢治記念館と隣接して建てたいという候補地まで示して名のりを上げております。 当市は、ハード面においてはすばらしい発展を遂げ、各方面から注目を浴びているところでありますが、ソフト面は今いちであって、特に文化面の充実が一層望まれております。そんな折、この県立の美術館が誘致されることになれば、そのインパクトは非常に大きく、計り知れない効用が多方面に期待されることは言うまでもありません。文化の向上ばかりではなくて、文化都市のイメージは上がって、観光面においても、商業活動においても、そして求人活動においても、特効薬的な効果があることは明らかだと思います。そんな意味で、他市町村に負けないような強力な取り組みを大いに期待するものでありますが、どのようなことを考えているのか、お聞きしたいと思います。 最後でありますが、国の方では国立の美術館を地方に建てようという構想が持ち上がって、文化庁では調査費を計上しているということでありますが、今、スタートしたばかりだということでありますから、まだまだ未知数のようでありますが、早目に打診しておくべき問題のような気もいたします。この件につきましても、この際、コメントをいただければ幸いに存じます。 以上で終わります。 ○議長(昆野市右ェ門君) 休憩いたします。      午前11時55分 休憩---------------------------------------      午後1時5分 再開 ○議長(昆野市右ェ門君) 休憩前に引き続き会議を開きます。------------------------------------------------------------------------------ ○議長(昆野市右ェ門君) 市長。   (市長 高橋盛吉君 登壇) ◎市長(高橋盛吉君) 及川洋一議員の御質問にお答えいたします。 幼児の問題についてでありますが、北上における幼児の占める割合は、平成元年の県衛生年報によりますと、ゼロ歳から4歳児の割合は5.72%であり、県平均が5.57%でありますので、これを上回っております。 御指摘のとおり、平成2年に我が国における1人の女性が子供を生む率は1.53人となっております。平成2年における新北上市としてのトータルの特殊出生率は1.87人であり、全国平均を上回ってはおりますが、年々その率が低下しております。このことは労働人口の不足による経済全体の活力低下や、年金制度を初めとする高齢者扶養の負担の増大など、将来の社会全体にわたり広範な影響が生ずることが懸念されるところであります。 この出生率の低下の要因としては、結婚適齢期の女性の未婚率の増加による有配偶率の減少、子育ての経済的・精神的負担の増大、女性の就労と出産・子育てとの両立の困難性、家庭のあり方の変化、住宅事情の問題等さまざまな要因が指摘されております。このため、国では、健やかに子供を生み育てる環境づくりに関する関係省庁連絡会議を設置し、各種施策を推進していくこととしておりますが、県においても、昨年度から各保健所単位にシンポジウムの開催、ポスター・ビデオの作成とキャンペーンを実施しており、今後は保健、医療、福祉、教育関連機関と協力連携し、家庭のあり方、妊娠、出産、子育てに関する相談援助のための子育て総合相談事業の実施、この総合的相談援助体制の充実と、多様化しているニーズに対処できるように、保健所と関係機関との情報交換を行うなどの連携強化のため、子供が健やかに生まれ育つための環境づくり連絡会議を設置し、少子化--子供が少なくなる--問題に対処していこうとしております。市といたしましては、この事業にあわせ、保健衛生、教育、福祉等のそれぞれの立場で、それぞれのニーズに合った施策の推進に努力してまいりたいと考えております。 次に、幼稚園、保育園の問題についてお答えいたします。 御指摘のとおり、出生率の低下に伴い保育園や幼稚園も影響を受けております。現在、市内には保育園が公立15、法人6の計21園と、保育型児童館がありますが、定員を満たしているのは5施設であり、全体の充足率は81.2%となっています。この充足率は、他市と比較した場合、それほど問題となる数字ではありませんが、地域別を比較した場合、本庁管内は91.9%、和賀支所管内52.2%、江釣子支所管内76%となっており、地域によってかなりの格差があります。また、幼稚園は公立6園、私立6園の計12園があり、その充足率は、本庁管内88.8%、和賀支所管内56.7%、江釣子支所管内114.1%で、全体では86.5%となっております。 充足率低下の問題に限らず、御指摘のようないろいろな問題があることから、新北上市としての保育園、幼稚園がどうあるべきかを、中期的な見通しに立った方向づけを検討中であります。この検討の中で、定員の見直しや施設の適正配置、そして施設設備、地域との交流を図るための特別保育事業の拡大等、保育園及び幼稚園の運営全般にかかわる問題について、子供に視点を当てながら、望ましい方向づけをしてまいる所存であります。 なお、男子職員については、門戸を閉ざしているわけではなく、これは募集をしても応募者がないという状況であります。 また、空き部屋の活用のことでありますが、現在、空き部屋を持っている施設は、保育園においても、幼稚園においてもごく少数であり、なおかつ、現在の施設は、大人が日常的に活用できるように整備されていないこと、さらに毎年入園時の人数や構成が異なるため、特定の部屋を毎年確保して開放することが困難であること、また、幼稚園には制度的に難しいことなどから、困難な状況にあります。しかし、当面は、現在多くの園で実施している特別保育事業をより充実することや、交流保育によって、高齢者を初め地域の人々との触れ合い、連携を図ってまいりたいと考えております。 次に、市保有の美術作品等についてお答えいたします。 市所有の美術作品については、旧北上市においては平成元年度にその実数を把握しておりますが、新市になりまして、旧和賀町、旧江釣子村所有分を合わせて117点ということでございます。このうち、40点は本年度の市民芸術祭に展示公開した萬鉄五郎の下絵であります。その中で、公開作品と未公開作品についてでありますが、市所有美術品117点のうち、屋外に常時展示されている彫刻や庁舎等に展示されている美術品は40点であり、旧北上市所有の美術品については、平成元年度以来、毎年、市民芸術祭の折、特別展示をして公開を図ってまいり、この点数は57点に及んでおります。このため、未公開作品数は20点ほどになります。 美術作品有効活用策についてでありますが、美術作品有効活用策としては、新設の公共施設等に掲示するなど公開を図ってまいりたいと考えております。作品の展示を変えることも、また検討してまいりたいと考えております。さらに市民芸術祭における特別展示を継続してまいりたいと考えております。このほか、市内の小中学校生徒等にも市所有の美術作品の公開を図るなどして、情操教育に役立ててまいりたいと考えております。 次に、美術作品の管理体制についてでありますが、市所有の美術作品のうち、常設展示をしていないもの76点は、詩歌文学館の特別収蔵庫に保管しております。また、萬鉄五郎の下絵のような傷みが心配されるものは、平成2年度において補強対策を講じているところであります。これらの美術品は屋外に展示されている彫刻や建物に組み込まれている壁画等もあり、作品の把握は、教育委員会が担当しても一括管理が難しい面もあります。ただし、市所有の美術作品の取り扱いについては、関係課で協議の上、対策を検討してまいりたいと考えております。 県立美術館誘致に係るその後の経過等でありますが、県立美術館の整備については、先月公表された県教育振興計画においても調査検討を進めることとされておりますが、当市では6月下旬、県に対する統一要望の中で県立美術館の北上市への設置を要望しておるところであります。今後、できるだけこの誘致について市民の参加もいただいて、強力に取り組んでまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(昆野市右ェ門君) 9番。 ◆9番(及川洋一君) 何点か再質問したいと思います。 市が保有している美術品についてなんですが、全部で117点であるといいますから、やっぱり多いものだなと改めて感心いたしました。 そこで、確認したいんですが、この数の中に、いわゆるだれが見ても美術品だと思われるようなものは全部入っているんですか。例えば、壁画のようなものも入っているんでしょうか、その辺を確認したいと思います。 それから、次に、この美術品の中に旧北上市が購入した、たしかフランス絵画だと思いますが、レプリカをたくさん買ったはずなんですが、あれは当時、一時は市内の小中学校を巡回しながら情操教育に当てているということを聞いたんですが、今はどういう活用をしているのか、そして、これからの方法をお聞きしたいと思います。 それから、萬鉄五郎さんの絵画が随分多いようです。これは多分、市が持っている中でも貴重品中の貴重品ではないかなと思うんですが、この作品をのどから手が出るほど欲しいのは、多分、隣町の東和町ではないかなと思います。いわゆる萬鉄五郎記念館があるからであります。 そこで、そこにまさか渡してしまうということにはならないと思いますが、しまい込んであるのであれば、そこに貸し出しをして展示するというようなことも一考を要するような気がいたします。その辺についての有効な活用方法について御見解をお伺いしたいと思います。 それから、美術館の建設誘致に係る問題ですが、具体的なことを1点だけ伺いたいと思いますが、市民の各種団体等に呼びかけて、組織化しながら運動を展開するというようなことは検討してませんか、その辺をお聞きしたいと思います。 以上です。 ○議長(昆野市右ェ門君) 教育次長。 ◎教育次長(小田島龍一君) 市の美術品が広く収集されているのかというふうな意味の再質問があったわけでございますが、今、調査しておる中では117点でございますけれども、このほかに、調査の次第ではまだまだふえてくるんではなかろうかなというふうな感じもいたしてございます。現に江釣子では4点というふうなことで上がってきておりますので、まだまだこれも調査すればよほどの数になってくるのかなというふうな感じがしてございます。 それから、壁画等々については、まだ入ってないものもありますので、これら等々も文化係をして調査させたいと、このように考えてございます。 それから、レプリカの関係でございますが、一時、巡回して学校等々に公開した面もございますが、今度、学校の数もふえてまいりましたので、市内の各学校に展示しながら公開してまいりたいと、このように考えてございます。 それから、萬鉄五郎さんの作品の資料の関係でございますが、これが一番多くて50点ほど持ってございます。これは非常に貴重な財産なわけでございますので、もしも萬鉄五郎の記念館等々で貸し出しの申し入れがあった場合には、あるいは県民の方々にも広く公開してもいいのではないのかなというふうなことで検討してまいりたいと、このように考えてございます。 以上です。 ○議長(昆野市右ェ門君) 市長。 ◎市長(高橋盛吉君) 美術館建設の運動に市民の文化団体等との情報交換等はやっておりますが、組織的に組織をつくってというところまでは、まだ至っておりません。 ○議長(昆野市右ェ門君) 9番及川洋一君の質問を終結いたします。------------------------------------------------------------------------------ ○議長(昆野市右ェ門君) 以上をもって本日の日程は全部終了いたしました。 お諮りいたします。委員会審査のため、明12日から19日までの8日間、休会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。(「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長(昆野市右ェ門君) 御異議なしと認めます。よって、明12日から19日までの8日間、休会することに決定いたしました。 次の本会議は12月20日、午前10時に開きます。 これをもって散会いたします。      午後1時26分 散会...