北上市議会 > 1991-06-24 >
06月24日-02号

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  1. 北上市議会 1991-06-24
    06月24日-02号


    取得元: 北上市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-04-30
    平成 3年  6月 定例会(第3回)平成3年6月24日(月曜日)議事日程第3号の2              平成3年6月24日(月)午前10時開議第1 一般質問 ①                    26番 及川淳平君  1 北上市総合計画の策定について   (1) 基本構想及び基本計画策定について   (2) 国土利用計画北上市計画の策定について   (3) バス交通対策について  2 福祉政策の展開について   (1) 老人保健福祉計画及び福祉マスタープラン長期基本計画)の策定について   (2) 介護サービス制度の確立について   (3) 地域健康福祉システムの構築及び福祉施設の整備について   (4) 市社会福祉協議会の基盤強化と福祉作業所の作業種目の開発について  3 下水道事業について   (1) 下水道全体計画の見直しの概略と今後の水洗化率の方向策を示せ。 ②                    64番 柴田八太郎君  1 黒沢尻西部土地区画整理事業について  2 107号バイパスの工事の促進について  3 米の輸入自由化阻止について ③                    1番 金田ハルノ君  1 教育問題について   (1) 教育委員会が行う管内一斉テストについて   (2) 教員の採用について   (3) 教員の勤務時間と残業状況について   (4) 教育委員会のあり方について  2 住民の福祉について   (1) 母子家庭等医療費扶助のあり方について  3 女性の社会参加について   (1) 男女の意識変革のための施策、行動計画について   (2) 各種審議会、委員会への女性登用について   (3) 「働く婦人の家」の建設について ④                    39番 柏葉 明君  1 地方行政改革大綱と新北上市の施策の方向について  2 夏油高原開発地域経済効果について ⑤                    35番 小沢幸三郎君  1 住民の窓口となる国・県機関の設置と既設の機関の充実について   (1) 直接住民の窓口となる税務署などの国・県機関の設置、あるいは既設機関の充実について働きかけるべきと思うがどうか。  2 北上駅東口周辺の開発計画のその後について   (1) 昭和62年1月以降、北上駅東口周辺の用地を企業2社に処分してから4年以上経過しているが、開発計画はどのように進んでいるか。---------------------------------------本日の会議に付した事件 議事日程のとおり---------------------------------------出席議員(62名)   1番 金田ハルノ君      2番 根子信一君   3番 藤原義直君       4番 小原健二君   5番 小松久孝君       6番 佐藤安美君   7番 千田信男君       8番 昆野吉延君   9番 及川洋一君       10番 高橋清悦君   11番 高橋 功君       12番 高橋公生君   13番 伊藤嘉則君       14番 千田正雄君   15番 多田 司君       16番 菊池 昭君   17番 藤枝孝男君       18番 高橋民雄君   19番 小原 桂君       20番 高橋 明君   21番 高橋 俊君       22番 渡辺紘司君   23番 伊藤隆夫君       24番 菊池武實君   25番 及川幸太郎君      26番 及川淳平君   27番 伊藤安雄君       28番 菅原行徳君   29番 伊藤昭男君       30番 佐々木克巳君   31番 浅田哲心君       32番 菊池基行君   33番 千田三一君       34番 高橋徳蔵君   35番 小沢幸三郎君      36番 斎藤 績君   37番 中島高雄君       38番 八重樫真純君   39番 柏葉 明君       40番 川辺喜代志君   41番 高橋勝郎君       42番 鈴木健策君   43番 平野牧郎君       44番 石川正信君   46番 舘川 毅君       47番 伊藤輝雄君   48番 千葉昭孝君       49番 高橋右男君   50番 川村鷹志君       51番 菊池健造君   52番 高橋一夫君       53番 小原健成君   54番 高橋 功君       57番 柏葉省一郎君   59番 田鎖助治君       61番 原田敬三君   62番 八重樫久一君      63番 高橋高志君   64番 柴田八太郎君      65番 松田清志君   66番 高橋賢輔君       67番 昆野市右ェ門---------------------------------------欠席議員(5名)   45番 佐藤幸男君       55番 高橋 孝君   56番 谷地畝幸吉君      58番 菊池金助君   60番 高橋民夫君---------------------------------------事務局職員出席者  局長     下屋敷勝哉君    次長     千田安雄君  議事調査係長 高橋 博君     庶務係長   松本 巖君---------------------------------------説明のため出席した者  市長     高橋盛吉君     助役     斎藤政憲君  収入役    菊池秀雄君     企画調整部長 小野信義君  財政部長   橘 晃司君     民生部長   山中丕之君  産業部長   小原教雄君     建設部長   高橋 茂君  福祉部長   及川文雄君     和賀支所長  堀内三郎君  江釣子支所長 伊藤 巌君     水道事業所長 名須川正夫君  教育委員会         高橋忠幸君     教育長    成瀬延晴君  委員長                   農業委員会  教育次長   小田島龍一君           高橋雄幸君                   会長  企画課長   小原善隆君     総務課長   滝沢良徳君---------------------------------------      午前10時6分 開会 ○議長(昆野市右ェ門君) ただいまの出席議員数は61名であります。 定足数に達しておりますので、これより本日の会議を開きます。 本日の議事は、お手元に配付しております議事日程第3号の2によって進めます。 日程第1、これより一般質問を行います。 通告に従い、順次質問を許します。26番及川淳平君。   (26番 及川淳平君 登壇) ◆26番(及川淳平君) 通告に従い、順次質問いたします。 最初に、新市発足に伴って新たに策定を求められている北上市総合計画にかかわってお伺いいたします。 今、私たちの住んでいる地域は、そこに住む人々にとってかけがえのないまちになっているでしょうか。そこに生き、暮らし、働くことが誇りとなるような地域としてあるでしょうか。新生北上市の役割は、まず、そのような地域をつくり上げること、すなわち住民にとってかけがえのない生活空間、固有の顔を持つ地域をつくり上げることにより、地域のアイデンティティを形成していくことにあると思われます。今、地域が必ずしも十分な個性的な表情をしていないのは、1つには、自治体行政が国、県、市町村という縦系列の中で持続し、自立した政策を持てないでいることに、その理由が求められましょう。また、さまざまな地域組織も地域を支える主体的な力量が十分でないことも挙げられます。さらに、経済効率優先の思想が、生産、流通、消費、廃棄の全商品過程においていまだに主流であり、自然環境の破壊と収奪には必ずしも十分な関心と行動が伴っているとは言えないのではないでしょうか。地域もまた個々の人間を大切にするものではなく、巨大化と資源浪費の道をたどり、集中と過疎の二重構造をつくってきたと言えましょう。 現代の自治体の政策は、資源浪費と巨大化の経済に社会生活の全般が依存しているという現実から出発せざるを得ないと思いますが、同時に、そのような社会を住民とともにどのように変えていくのかという観点から再編成されなければならないと考えます。今、この地域を生き生きとした生活空間にするために、自治体は自分の顔を持たなければなりません。そのためにも、新しい共同性を目指すものとして地域の独自性の形成が求められ、新市の具体的な対応が大きく期待されております。最初に市長の所信をお伺いするものです。 以下、基本構想及び基本計画の策定について、若干の提言をしながら、市長及び担当部長の基本的な考え方についてお尋ねいたします。 1つには、基本構想についての基本的なスタンスについてであります。 これからの自治体政策は、巨大技術から中間技術、等身大技術への移行を具体的に地域において進めていく政策選択に支えられなければならないと考えます。また、次の項でも触れますが、大規模単一施設から小規模複合施設へ、エネルギー多消費型からソワトな省エネルギー社会への転換が求められています。換言すれば、人間の生命の尊重と生存の平等の享受を基本理念に、そして、自然と人間との調和をまちづくりの理念に、高環境、高福祉都市実現のために基本施策を掲げるべきであると思料いたします。これが基本的なスタンスについてお尋ねをします。 次に、基本計画策定についてお伺いいたします。 私は、策定の段階、策定の過程での市民参加、さらには計画の内容、計画の実現についても市民参加の配慮がなされ、十分な市民の意見の反映に努めるという民主主義の原則が貫かれなければならないと考えます。また、残念ながら、都市は都市として独自に行うことができる行政や財政が不十分であり、次に述べる交通の問題など、多くの課題を抱えています。しかし、このような状況に流されては、都市の主体性はなくなり、市民の福祉も十分保障されません。重ねて市長の所見をお伺いするものです。なお、総合計画策定事業費に一般財源で2,870万円の計上がなされております。これが積算内訳、委託先、成果品の完成時期についてもあわせてお尋ねいたします。 第2に、国土利用計画北上市計画についてお尋ねをいたします。 御承知のとおり、国土利用計画法第8条には、1つには、市の区域における国土の利用に関し、必要な事項について計画を定めることができること。2つ、県計画を基本に市総合計画基本構想に即するものであること。そして、4、あらかじめ公聴会の開催等、住民の意向を十分に反映させるための必要な措置を講じなければならないことが規定されております。これまた本年度予算の企画費に450万円が計上されておりますが、なかんずく法8条4項をどのようにクリアするのか、その具体的な手続、手法についてお答えをいただきたいのであります。 ちなみに、昭和58年6月に議決された北上市計画は、現況調査報告から住民意識調査の実施、土地利用対策委員会の開催、県都の策定打ち合わせ等を経て告示、県知事への報告までに3年4カ月ほどの日時を要しておりますが、成果品が示されるのはいつごろになるのか。1980年から90年までの土地利用転換マトリックス表を現時点でどのように評価しているのか、あわせてお伺いをいたします。 第3に、住民の足を守るという観点から、市の交通対策、特にバス交通対策についてお伺いいたします。 過日、岩手県交通から市に対して、「不採算路線(系統)の事業計画見直しについて」という文書が人っていると承知しております。このうち、北上営業所にかかわっては、廃止3路線、減回6路線を含む大変厳しいものであります。しかも、このことに関する意見、代替バス運行の計画等については、本年5月末日までに連絡願いたいという一方的とも言える文書であり、到底容認できるものではありません。市長の基本的な見解を、通園、通学バス確保対策、さらには国、県、関係市町村への働きを含め、これが総合的対策についてお尋ねするものであります。 第2項の今後の福祉施策の展開について、これまた若干の提案をしながらお尋ねをいたします。 第1点は、老人保健福祉計画及びこの基本となる福祉マスタープラン長期基本計画の策定に関してであります。 今日、既に現実のものになっている本格的な高齢化社会に適切に対応していくためには、高齢者とともに暮らすまちづくりを基本理念として、高齢者のためのサービスを、総合的、包括的に提供できるようにするため、現行法制度の体系的な改革整備が必要であると思われます。また、福祉施設を小規模分散型にして気軽に通所できるようにするには、前項で触れた土地政策、都市計画等を総合的に推進していく必要があります。加えて、複合型施設とか施設の転用等も考慮されなければなりませんが、残念ながら、各省庁間の縦割り構造に縛られている面もあるのではないでしょうか。市長の基本的な所見を、これまた国、県に対するアプローチを含めお伺いするものです。 以下、具体的な問題についてお尋ねをいたします。 第1点、既に昨年4月1日に制定された北上市高齢化対策連絡会議要綱は、新市にそのまま承継されております。その第1で、高齢化社会への対応策を、総合的かつ長期的視点に立って企画し、推進するとしていますが、関係部課との連絡調整はどのように進められているのか。昨年の法改正で、市にその策定が義務づけられた老人保健福祉計画、あるいは国の高齢者保健福祉推進10カ年戦略、いわゆるゴールドプランと言われておりますけれども、これの目標との対応を含め具体的なお答えをお願いします。 また、高齢化のピークを迎える30年後の青写真を示す長期基本計画マスタープランと言われておりますけれども、これを住民参加で策定を急ぐべきだと考えますが、どうでしょう。 つけ加えるなら、86年12月推計の厚生省人口問題研究所による日本の将来推計人口によれば、西暦2000年には65歳以上人口は2,134万人、16.3%、2020年には3,188万人、23.6%に達すると言われております。さらに、去る6月6日、厚生省が発表した昨年の人口動態統計によれば、昨年誕生した赤ちゃんが1,000人当たり9.9人と初めて10人を割り、高齢化社会が一段と加速するであろうと報ぜられております。また、この実態に基づく将来人口推計では、今世紀中にはないとされてきたお年寄り人口と子供人口の逆転が、早ければ6年後になるなどと大幅に予測を修正したと述べられております。これが早期策定を要望するゆえんであります。 第2点、介護サービス制度の確立にかかわってお伺いいたします。 介護サービスは、申し上げるまでもなく、身体障害者精神障害者母子父子家庭、難病患者など日常生活にハンディを持つすべての人にとって、その生存と健康で文化的な最低限の生活を保障するために欠かすことのできない社会サービスであります。しかも、世界に類のない速さで高齢社会に向かっている我が国の現状から、介護サービス制度の確立と充実は緊急の課題であると思われます。また、高齢者の介護を家族に依存するいわゆる日本型福祉社会は、その担い手である女性の社会進出などによりますます困難になっており、高齢者介護は社会全体の責任で対応しなければならない課題でありましょう。 昨年8月に実施された第4回岩手県社会福祉総合動態調査市町村別集計によれば、母子父子世帯、旧北上市532、旧和賀町102、旧江釣子村92、ひとり暮らし老人寝たきり老人はそれぞれ610人、153人、62人、身体障害者、1級から4級までですけれども、障害(児)者は1,024人、371人、184人となっており、特にもひとり暮らし老人は3年前の調査に比較し、それぞれ37.9%、39.7%、41.5%の高い伸びを示しております。このほか寝たきり老人のそれは、和賀の51.7%の高い伸びを示しており、痴呆性老人についても同様41.7%、70%、75.6%の大幅な伸びになっております。 この際、ホームヘルプに対するニードの現状と将来推計をどのように把握しているのか。在宅介護と施設介護の統合を理念とした具体的な中・長期計画、対応策を示していただきたいのであります。 第3点、地域健康福祉システムの構築と福祉施設の整備についてお尋ねをいたします。 高齢者や障害者が住みなれたそれぞれの地域、いわゆる生活圏で暮らしながら、必要な健康と福祉サービスが受けられるように、市が中心となって、保健、医療、福祉サービスの総合的なシステムづくりが、今、求められていると思われます。市民がこれらのサービスを受けようとするとき、手続が繁雑であったり、速やかにサービス提供がなされなかったり、施設が遠過ぎたりしたのでは、実際上、利用することが困難になってしまうでありましょう。私はここで、その手始めとして、市に、保健婦あるいは看護婦及びケースワーカー、ソーシャルワーカー等をメンバーとする健康福祉相談チームを設置し、チームによる機動的、総合的な健康福祉相談活動が実施できる体制を確立していくべきだと考えます。所見をお伺いいたします。 また、既存の健康管理センター総合福祉センター展勝園、間もなく開設されるであろう児童療育相談施設等を有機的に再編して、新たな位置づけのもとに健康福祉サービスの総合的な提供を目的とする(仮称)健康福祉センターの設置を提案するものです。以前に、定員割れの現状にかんがみ、保育園、幼稚園に地域の子育てセンター機能を持たせることを提案した経緯もありますが、いわゆる大規模単一組織から小規模複合施設へ転換するための構想を、現状認識を含め前向きの答弁を期待するものであります。 第4点、社会福祉協議会の基盤強化と、福祉作業所への支援策についてお伺いをいたします。 私は、この問題についても再三にわたり一般質問をしてきたところですが、市長はさきの施政方針演説で、これが基盤強化に積極的に支援する旨を表明しております。 そこで、1つには、私立保育園に対する助成のルール化と同様に、社会福祉協議会に対してもルール化を実施していただきたいということであります。本定例会に提案されております一般会計補正予算でも、総合福祉センター運営費補助金市社会福祉協議会運営費補助金、あるいは福祉タクシー事業等、それぞれ新規あるいは増額計上がなされており、当局の御努力に心から敬意を表するものです。重ねて助成のルール化について前向きの答弁を期待するものであります。 2つ、福祉作業所への支援強化、特にも作業種目の開拓について、私はここで東京都町田市の例を再び紹介しながら、これまた積極的な答弁をお願いするものであります。 作業種目として望ましい条件は、納期に縛られないもの、最終製品まで一貫作業ができるもの、つくっていて楽しいもの、付加価値が高いもの等が挙げられます。町田市では、かつて成人式で新成人に、精神薄弱者通所作業所美術工芸館が製作した十二支のえとの彫刻を記念品として贈っておりました。今は製作数の関係で敬老の日のプレゼントになっております。現在では藕絲織というハス糸の織物づくりに取り組んでおります。大賀ハスの茎からハスの繊維を引き出し、より合わせて糸にし、これを紅花で染め、織り上げます。このようにして天平時代の織物、幻の織物と言われた藕絲織を再現、におい袋がつくられました。指でつまめるほどの製品ですが、1個20万円の値がつけられたということです。また、同じハスの繊維から商品価値の高い和紙ができること、ハスの実からおてだま、実をとった後の花托はプレスしてウレタンで加工し、銘々皿「蓮座」ができたと、そのように承知しております。これらはいずれも障害者の能力を生かした町田市の特産品となっていると見聞しております。当市においても、予算の裏づけを持った積極的な支援策を講ずべきだと考えます。お考えを披瀝いただきたいのであります。 最後に、下水道事業についてお伺いをいたします。 市長はさきの市議会臨時会施政方針演説で、生活環境の整備中、下水道事業にも触れ、事業認可区域635ヘクタールのうち、平成2年度までに219ヘクタールを整備完了し、使用を開始しているところであります。今後は下水道全体計画の見直しを行うとともに、和賀地区の一部、33ヘクタールについて事業認可を受けるなど、区域拡大を図りながら引き続き整備を推進してまいりますと述べております。 これまた申し上げるまでもなく、快適な生活環境の整備には、コミュニティープラント農業集落排水事業特定公共下水道を含む下水道の整備が不可欠ですが、反面、施設の建設に莫大な費用を要すること、住民個々にもかなりの受益者負担、経常経費の負担がかかること、建設期間が長期にわたること等々の問題点も指摘されております。既に新聞報道もなされておりますが、これが事業概要について、今触れました3点の指摘についての基本的な考え方、財源内訳、事業認可の時期を含め率直な答弁をお願いいたします。 また、いわゆる水洗化率は30%に達したと報道されておりますが、これをさらに上げるために、改造資金の融資限度額の引き上げ、さらには利子補給の全額補給など思い切った対策が必要と思われます。いかがでしょうか。 ちなみに、旧北上市の融資あっせん件数は、88年度の28件から、89年度11件、90年度10件と大変低迷しております。重ねて積極的な答弁を期待し、私の質問を終わります。 ○議長(昆野市右ェ門君) 市長。   (市長 高橋盛吉君 登壇) ◎市長(高橋盛吉君) 及川淳平議員の御質問にお答えいたします。 まず、北上市総合計画策定についてでありますが、新しい北上市の総合計画は、旧3市町村のこれまでの発展の歴史を大切にしながら、長期的展望に立って北上市のあるべき姿と、これを実現するための総合的かつ計画的な行政運営の基本的な方向と施策の方針を明示するものでなければならないと存じております。 計画の策定に当たっては、市民生活優先の基本原則に立ち、広く市民の意見、要望を取り入れるように図ってまいりたいと考えております。また、東北地方の広い視野に立って、本市の果たすべき役割の重要性を明確に位置づけてまいる必要があると思っております。また、本市の地理的、歴史的、あるいは社会経済的な条件を踏まえて、地域特性を十分に生かしていかなければならないと考えております。さらに、社会経済の変動に伴うさまざまなニーズの変化を敏感にくみ取り、新しい時代に対応できるものでなければならないというふうに考えております。そして、土地、水、緑、エネルギー、その他の諸資源は有限であるという認識に立って、省資源化と自然環境の保全に最大限努力するものでなければならないと考えております。さらに、財政的には、長期的な展望のもとに財政の健全性を十分配慮してまいる必要があると考えております。さらに、第四次全国総合開発計画、新岩手県総合発展計画等、国、県の計画に配意しながら、また、市の各種計画との整合を図る必要があると考えております。成果品の完成につきましては、できるだけ早い時期にと考えておりますが、国土利用計画など他計画との調整が必要でありますので、それらを踏まえて策定スケジュールを検討しておるところでございます。 次に、国土利用計画北上市計画の策定について申し上げます。 新しい北上市の国土利用計画については、平成3年度、4年度の2カ年計画で策定することとしております。本年度予算に継続費を設定して計上しておりまして、平成4年度中には完了したいというふうに考えております。また、国土利用計画法第8条第4項の規定の趣旨につきましては、総合計画や各種土地利用計画との整合を図り、また、住民意識調査や住民意向の把握に努めながら策定をしてまいらなければならないと考えております。なお、土地利用転換マトリックス表につきましては、旧3市町村の計画でありますので、これは新しい北上市として総合的に見直しをする必要があるというふうに存じております。 次に、バス交通対策についてでありますが、近年、自家用車の増加に伴いバス利用者が減少し、バス会社は厳しい経営を余儀なくされております。したがって、バス会社としては、経営面から利用者が著しく少ない赤字路線については廃止せざるを得ないという状況にあります。本市では生活路線の指定を受けたものについては、県の補助制度にのっとり、赤字補てんのための補助をしてまいっております。しかし、補助制度の適用を受けられない赤字路線で、利用率の向上が見込めない路線については、廃止に同意せざるを得ない状況であります。ただ、この際、市町村が実施しておる通学、通院バス等が路線バスの利用者の減少につながっているという面もありますので、その実態を調査した上で、バス路線の活用をできるだけ図ってまいるということにいたしたいと考えております。 次に、福祉施策についてでありますが、御案内のとおり、老人保健福祉計画は平成4年度中に策定し、平成5年4月からの実施が関係法律で義務づけられたわけでありますが、計画の策定は、今後、国が提示を予定しているガイドラインをベースに、当市における高齢者の現状把握、サービス実施の現況を踏まえてサービス実施の目標を設定する、あるいはサービス提供体制の確立等、具体的、実践的な計画になるように配慮してまいりたいと考えております。 高齢者保健福祉推進10カ年計画、いわゆるゴールドプランについては、高齢者の保健、福祉の分野における公共サービスの基盤整備について、今世紀中に図るべき10カ年の目標を掲げ、各種の在宅福祉対策、施設福祉対策等を強力に推進することを趣旨としているわけでありますが、今後とも高齢者の現状を十分に把握し、県等関係機関の指導も得ながら、さきに申し上げました老人保健福祉計画の策定目標に沿うよう、計画の策定をしてまいりたいと考えております。 なお、福祉マスタープランの策定業務については、若干期待しておりますが、計画の策定に当たっては庁内の企画調整を図る高齢化対策連絡会議を活用するとともに、市民のいろいろな団体や学識経験者等からなる諮問機関の設置を考えておるところであります。 次に、在宅介護と施設介護についてお答えいたします。 援護を要する老人に対する援護対策としては、御案内のように、在宅介護と施設介護があります。在宅介護は、引き続きホームヘルパー派遣事業、デイ・サービス事業、ショートステイ事業の在宅3本柱と、在宅介護支援センター運営事業を有機的に連携を図りながら援護をしてまいりたいと考えております。施設介護は、引き続き特別養護老人ホームと養護老人ホームヘの措置入所の方法により援護をしてまいります。具体的な整備計画ということでありますが、これはまだ正式決定ではありませんけれども、ここ数年の間に新たに北上川東部地域に社会福祉法人による特別養護老人ホームを設置して、デイ・サービスセンターと短期保護居室を併設するとともに、敬愛園とわがの里にそれぞれ短期保護居室を増床し、将来の在宅福祉に備えてまいりたいと考えております。 次に、健康福祉相談チームの設置についてでありますが、現在設置されております高齢者サービス調整チームの援助体制の強化充実等により、総合的な健康福祉相談活動の推進を図ってまいります。また、大規模単一施設から小規模複合施設への転換のための構想につきましては、今後、御趣旨を体して十分検討してまいりたいと考えております。 次に、社会福祉協議会の基盤強化についてでありますが、御案内のとおり、この4月に新しい北上市社会福祉協議会が発足いたしました。この機会に、面目を一新した社会福祉協議会の基盤強化の支援策として、運営の基本となります人的体制と職員の待遇改善に対する経費について一定のルール化を実施して、その基盤強化を支援してまいることといたしております。 次に、福祉作業所についてでありますが、現在、福祉作業所は北上福祉共同作業所、藤の会福祉作業所、和賀の園福祉作業所の3カ所が設置されております。この3カ所の福祉作業所では、26人の身体障害者の方々が通所の方法で働いております。生産する商品は、主に時計バンド加工、民芸品、ウエス加工などであります。市としては、福祉作業所の自主的な自立を側面から援助したいと考えております。幸いに北上市内のボランティア団体が協力して設置しました北上ふれあいショップ手づくりの店が5月12日に開店しております。この福祉の店は、物品販売を通して市民と障害者の交流を深める場ともなっておりますが、福祉作業所では、ここでの商品の販売傾向をこれからの作業種目開発に結びつけ、入所者の技能を考慮しながら、市民の希望する商品の生産に取り組みたいとしておりますので、このような念願が実現できるように、市としても協力をしてまいりたいと考えております。 その他につきましては関係部長から答弁をいたさせます。 ○議長(昆野市右ェ門君) 建設部長。   (建設部長 高橋 茂君 登壇) ◎建設部長(高橋茂君) 下水道事業についてお答えいたします。 御指摘のとおり、下水道事業は、膨大な費用と長期の工事期間が必要とされております。御存じのように、下水道事業の取り組みについては、公共下水道事業のほかに将来的展望に立って農村集落排水事業等コミュニティープラントを採用し、住民生活排水の環境整備に力を入れてまいっております。今後も下水道事業を主力に、公共下水道で処理できない地域にあっては、農村集落排水事業等を積極的に取り入れて下水道普及を図ってまいりたいと、このように考えております。 平成3年度は、藤根地区33ヘクタールを含めた事業認可を受け、区域の面積は449ヘクタールとなるわけでございますが、このように区域の拡大を図りながら、引き続き整備を推進してまいるところであります。これに要する事業費は、平成7年度を目途といたしまして、約60億円を見込んでおります。財源内訳になるわけですが、国が事業の10分の5、そして、残りの事業費については75%の起債を充当しながら整備計画してまいるものであります。 次に水洗化改造資金の融資限度額についてでございますが、経過については、御発言のとおりであります。したがいまして、水洗化をしていない該当者からアンケート等をとりながら、その内容を分析いたしまして、住民の要望にこたえるべく、水洗化普及に一層の努力をしてまいる考えであります。 以上でございます。 ○議長(昆野市右ェ門君) 福祉部長。   (福祉部長 及川文雄君 登壇) ◎福祉部長(及川文雄君) 私からは、ホームヘルプに対するニードの現状と将来推計についてお答えを申し上げます。 老衰、心身の障害や傷病のために日常生活に支障のある65歳以上の老人のいる家庭にホームヘルパーを派遣して介護サービスを行い、本人はもちろん家族の介護負担の軽減を援助してまいっておるわけでございます。ホームヘルパーのサービス内容につきましては、身体の介護に関すること、家事に関すること、相談、助言に関することの3つがありますが、このうちから本人、家族の必要とするサービスを提供することになりますが、現在、112世帯を訪問しておりますが、主に、1つとして話相手、2つ目には掃除、3つ目には身の回りの世話、4つ目には買い物のサービスの内容になってございます。 次に、二ードの将来推計についてでありますが、今申し上げました4項目に該当するサービスの傾向はこれからも変わらないだろうと、そのように考えております。なお、ホームヘルパーの増員につきましては、今後の利用の動向を把握しながら対処してまいりたいと、そのように考えております。 終わります。 ○議長(昆野市右ェ門君) 26番。 ◆26番(及川淳平君) 二、三再質問をいたします。 総合計画の策定につきましては、お答えをいただいたわけですけども、策定に当たって、市民団体とか事業団体、さらには労働組合とか、そういう市民の参加を保障するという形が大変重要だというふうに思っております。そこで、より効果的な施策形成を図るためにも、市政モニター制度とか、あるいは調査、公聴のシステムを整備していく必要があると思います。また、当然、住民の意向を行政に反映させる機会というのを拡充していかなければならないと思うわけですが、基本計画の策定の時点で、素案の段階でいろいろな角度からいわゆるボールの投げ返しをやるということが大変重要だというふうに思いますし、言ってみれば、今までの行政スタイルをある意味では転換していく必要があるというふうに考えます。特にも、一昨日、岩手日報で大きく報道されておりましたけども、展勝地遊園地計画に対する展勝地国見山開発基本構想との関連で、この間、行政スタイルの転換という形を考えなければならない時期に来ているんじゃないかということを深く感じたわけですけども、このことを含めて、もう一歩突っ込んだ答弁をお願いいたしたいと思います。 それから、第2点は、福祉施策の転換にかかわってお尋ねをしたいと思いますけども、何としても、今、福祉部長の方から、介護の需要は当分変わらないんじゃないかというような趣旨のお答えがあったわけですが、私は、どうもその辺は問題があるんじゃないかと思うんです。私は、いわゆるシステムの構築にしても、施設の整備にしても、その基礎となるのは、やっぱり的確な現状把握とニーズの把握だというふうに思います。 そこで、質問でも触れました社会福祉総合動態調査でも、その調査結果の概要の結びで、この集計結果は調査項目の単純集計による調査対象者の概括的な状況把握にとどまるものであるから、個別具体的な社会福祉ニーズを把握するためには、この集計結果を基礎資料として、対象別、地域別等のさらに詳細な分析を実施する必要があるというふうに述べております。この点に関して、せっかく民生委員さんとか児童委員さんの大きな協力のもとにでき上がった結果ですので、これをいわゆる今申し上げました地域別、対象者別にさらに分析を重ねる必要があるんじゃないかと思いますが、その点に関してはどうでしょうか。 以上です。 ○議長(昆野市右ェ門君) 市長。 ◎市長(高橋盛吉君) 及川議員の再質問にお答えいたします。 まず、総合計画の策定に当たりましては、当然、審議会で御検討いただくことになるわけでありますが、その審議会の構成では、いろいろな団体の参加をいただく必要があるというふうに考えております。それから、その審議会ばかりではなくて、いろいろな住民意向の把握のための方法は、計画策定の初期の段階から考えてまいりたいというふうに思っております。 それから、展勝地地域における子供の国の設置につきましては、そういう施設を要望する父兄の声も非常に強いし、必要な施設だと思いますけれども、これにつきましては、場所についていろいろ再検討すべきだという御意見もありますので、これらを十分御意見を伺いながら、拙速にならないように今後の検討をいたしたいというふうに考えております。 ○議長(昆野市右ェ門君) 福祉部長。 ◎福祉部長(及川文雄君) ただいま質問者から申されました動態調査の分析等につきましては、そのとおりでございます。ですから、私どもとしましても、これを踏まえましてさらに分析をし、あるいはアンケート調査等も実施してまいりたいと、そのように思っております。ただ、今、私がホームヘルパーのことを申し上げましたのは、ヘルパーに限ってのことを申し上げましたので、このほかにデイ・サービスとかショートステイ、いろいろございます。これらも有機的に連携をとりながら、将来の動向に対応してまいりたいと、そのように思っております。 終わります。 ○議長(昆野市右ェ門君) 26番及川淳平君の質問を終結いたします。 休憩いたします。      午前10時58分 休憩---------------------------------------      午前11時14分 再開 ○議長(昆野市右ェ門君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 64番柴田八太郎君。   (64番 柴田八太郎君 登壇) ◆64番(柴田八太郎君) 私からは、区画整理事業と国道107号のバイパス促進と、それから米の輸入自由化阻止、この3点についてお伺いをいたします。 まず最初に、黒沢尻西部土地区画整理事業についてお尋ねをいたします。 黒沢尻西部第1地区の方は、換地計画も地権者の同意が得られて、いよいよ工事にかかるようであります。事業の順調な進捗が期待されるところであります。 私がここでお尋ねしたいのは、第2地区、JR北上線の南側についてであります。第2地区の方は、アパートなど住宅建築が大変な勢いで進んでおります。このままでは、第2地区は工事にかかる前に建築物がびっしりと建ち並ぶに違いありません。そうなりますと、道路、公園等公共用地及び保留地の確保が難しくなるのではないでしょうか。事業計画はどうなっておりましょうか。区画整理事業の計画と全く関係なく、どんどん建物等が建っては、さあ、これから区画整理事業にかかるというときに、移築や引き去り、場合によっては壊してしまわなきゃならぬということもあり得る。そうなると、これに要する補償金が必要になってまいります。ということは、事業費の増高という結果になると思うんですが、どうでしょう。 事業費の財源である保留地にいたしましても、やたらに減歩率を引き上げるわけにはいかないと思うんです。区画整理による地価の上昇に伴う保留地処分金の増額に期待をかけているというのではなかろうと思うんですが、どうでしょう。 次に、国道107号線バイパスの早期完成についてお尋ねをいたします。 この間、議会の高速交通専門委員会で現地視察をいたしましたが、図面によると、岩手製鉄の北側で路線が弓状に曲がっております。したがって、道路のそばの水田は不整形になり、耕作にも、その他の利用にも大変都合が悪くなるということで、地権者は今のままの計画では協力できないと言っているそうであります。路線を曲げた原因は、岩手製鉄の敷地を避けるためだったそうで、岩手製鉄を移転させるとなると3億円から補償金が必要になるということであります。現地を見てまいりましたが、工場敷地内にバイパス路幅に充当して余るほどの空き地があり、ここを通せば曲がりはよほど緩和される。したがって、地権者の協力も得られるのではないかと思われたのであります。もちろん、この路線は、県や建設省によって決定されたもので、簡単に変更ができないものかもしれません。しかし、バイパスの促進、地権者の意向というものを考えて、市が会社と建設省の話し合いを取り持つということも必要ではなかろうかと考えるのであります。いかがでしょうか。 最後に、米の輸入自由化問題についてお尋ねをいたします。 最近、政府自民党首脳の米輸入自由化発言が相次いでおります。海部首相は週刊誌のインタビューで、米問題を解決するために努力する、恐らく今年中には多角的自由貿易体制の中できちんとされていく、また、しなければならないと考えていると語りました。その直後に、金丸元副総理が、米の問題でアメリカといさかいを起こして、自動車や電気製品、機械などを買ってもらえなくなったら、日本経済の将来はどうなるか。ウルグアイ・ラウンドのことを聞いて、そのかわりに農民の言うことも聞くというふうにすべきだと、こう言っております。これに坂本官房長官や加藤政調会長、中尾通産大臣、西岡総務会長などが続いて、年内のできるだけ早い時期に自由化を実現すべきだと言っているのであります。金丸元副総理が言ったように、米問題でアメり力と対立すれば輸出が打撃を受ける。ということは、農業を犠牲にして大企業の利益を確保しようということではないでしょうか。市長はどうお考えでしょうか。日本の農業と農民の実態を無視したアメリカのごり押しを理不尽だとは思われませんでしょうか。それにも増して、米は国内産で完全に自給する、自由化には断じて応じない、こういう決議が国会で3回も繰り返されている。選挙のたびに、米の自由化は絶対に認めない、こう国民との間に公約を繰り返してきた。その人たちが、今申し上げたような状態なんです。これこそまさに政治的な裏切りと言わないで何と言いましょうか。 全国農業協同組合の協力のもとに、10人余りの研究者によって構成されている米政策研究会というのがあります。座長は東京大学の森島教授なそうですが、これの米輸入自由化の影響予測によりますと、米輸入自由化が強行された場合、日本の米生産は短期間のうちに3分の1に激減をし、最終的にはわずかに78万トンしか国内生産が残らないということであります。これは米を輸入自由化した場合の影響を、価格と品質面から分析したもので、米の内外価格差は日本のコスト低下策によっても6倍程度と、大きな差が残ると指摘しております。品質でも、日本人の好みに合う品種への作付転換が進むために、日本に輸出する大量の米生産が短期間で可能になる、こういう予測なのであります。 米の輸入自由化が強行された場合の地域経済への影響はどうでしょうか。農業での94万人を初め、関連産業を含めた国内雇用は163万人分が減少して、生産額でも11兆464億円も減ってしまうということであります。これが北上市にどう影響するか、これは調べてみなければわかりませんけれども、大変なことになるということだけは間違いないと思います。 市長は、本市の基幹作物である米については、品質管理の徹底と産地間競争を有利に展開云々と言われましたが、確かに品質管理も産地間競争も大事とは思いますが、それにしましても、重大なのは外国からの米輸入自由化を認めるかどうかという問題ではなかろうかと思います。どんなにおいしい米ができて、産地間競争にせり勝ったといたしましても、外国の米がどんどん入ってくるということになれば、それらの努力も成果も吹っ飛んでしまうんじゃありませんか。 米が余るからと減反が始まったのはいつのころでしょうか。10%から20%になり、今日では30%にもなっております。麦の生産者価格は6年連続の引き下げが決まりました。生産者米価の引き下げも予定されているということであります。今日の農業は、専業農家以外は農外労働の片手間仕事になっており、1日じゅう田畑で汗を流しているのは年寄りだけという状態で、嫁の来手もない。息子に農業を継げとも言われない。百姓はおれたちだけで終わりだと、こう言って年寄りたちは嘆いております。このような現実のところに、米輸入自由化ということが、日本の農業と農民の上にどんな結果をもたらすでありましょうか。国民の主要食糧を外国に依存するということが、国家と国民の主権と尊厳にとってどういうことなのか、市長のお考えを承りたいと存じます。 以上で私の質問を終わります。 ○議長(昆野市右ェ門君) 市長。   (市長 高橋盛吉君 登壇) ◎市長(高橋盛吉君) 柴田八太郎議員の御質問にお答えいたします。 まず、黒沢尻西部土地区画整理事業についてでありますが、この事業の第2地区につきましては、昭和55年にA調査を行い、昭和60年にはB調査を行っておりますが、第1地区の事業を先行することとなりまして、その事業が緒についた時期に第2地区を推進するということになっているものでございます。御指摘のとおり、その後、この地域の宅地化は進んでおります。そこで、今後のスケジュールでありますが、改めて本年度中に土地区画整理事業の手法、概要について、この地区において説明会を行いたいというふうに考えております。そして、平成4年度にはB調査の見直しをやりたいというふうに思います。引き続きC調査を実施して、事業に向けて推進してまいりたいというふうに考えております。 次に、国道107号線の推進でありますけれども、一般国道107号和賀江釣子バイパス道路改良事業は、昭和63年度より県が事業主体になって、全延長6,200メートルの路線決定がされて、着手されたのであります。地権者の御協力によって、平成3年度までに江釣子地区3,300メートル、和賀地区市道岩崎街道線から市道東横断線までの間800メートルについて、完成の見込みでございます。未着工の和賀地区2,100メートルについては、一部地権者の同意が得られないために、路線測量等が実施できないでいるという状況であります。県としては、平成4年度までに全線の完成を目指しておりますので、市におきましても、この和賀江釣子バイパス線の重要性について地権者の御理解をいただくように、県と地権者の話し合いに積極的に協力してまいりたいというふうに考えております。 次に、米の輸入自由化についてでありますが、最近における農業を取り巻く情勢は、御指摘のように、国際化の急速な進展に伴い、農産物の市場開放が一層強まる中で、価格の低迷、産地間競争の激化など、非常に厳しい局面になってきております。特にも、諸外国から米の市場開放の要請が強まってきておりますが、米の輸入自由化ということになりますと、農業者あるいは農業地域全体に大きな影響をもたらすことになりますので、国民の主食である米は国内で自給するというこれまでの基本的な姿勢は堅持されるべきものであるというふうに考えております。なお、新しい北上市は農業生産の面においても県内第1位でございますので、この条件を生かしながら、米を中心とする農業生産、あるいは農家経済の安定のために一層の努力をしてまいる必要があるというふうに考えております。 以上でございます。
    ○議長(昆野市右ェ門君) 64番。 ◆64番(柴田八太郎君) 再質問を行います。 区画整理のことですけれども、本年度中に手法の説明会をやるとか、あるいは来年はB調査の見直しということを言われましたが、先ほど申し上げましたように、建築が物すごい勢いで進んでいる。これにどう対処するかということですが、工事に具体的に手がかかるのはいつごろの見込みでしょうか、見通しはどうなんでしょうか。 それから、いずれ、区画整理事業をやる地域だと、これははっきりしているわけですから、道路予定地、公共用地にする予定地といったものを早く決めて、建築等の規制ということはできないものか。これは法律上はどうか知りませんけれども、かつて有田住宅付近で、ここは道路を拡幅するから、建築や塀などの構築物等は予定地よりも引っ込めてやるように協力をしてもらいたいということで、住民の協力を受けて進めたということがたしかあったように思うんで、こうしたことはできないものでしょうか。 それから、区画整理事業についてもう一つは、県の補助金があるわけですけれども、これは事業費の6分の1で、これについての県に対する増額要請をしてやっておられるという話ですけれども、増額要請はどうなっているんでしょうか。 それから、107号バイパスですけれども、地元の人たちの声なんですけれども、どうしてああいうふうに計画路線を曲げなきゃならなかったのか。岩手製鉄に遠慮したんじゃないのか。だとすれば、何で大企業にそんなに気がねをしなきゃならぬか。岩手製鉄の方が、国道のバイパスができて、まさに工場に接したところにそういう道路ができて、我々一般市民よりもよほど利便をこうむるんじゃないのか。なぜこの会社に協力させられないのか、こういう意見も出てございます。これは、私は当然の意見だと思うんですが、こういったところで、一つ会社と建設省などの間に入って、住民の要望が満たされるように努力をしていただきたいと思うんですけれども、このことをどうお考えでしょうか。 それから、米の輸入自由化の問題ですカヘ岩手県でもこの間、17日に農業者総決起大会というのが盛岡で開かれたり、これは米の輸入自由化に反対をして、自由化を阻止しよう大会決議も上げています。この大会に、自民党から社会党、民社党、県選出の国会議員がずらりと席を並べて、そしてこの趣旨に賛成をしているわけです。ところが、さっき申し上げましたように、自民党の幹部の皆さんは、自由化は避けられない、ことしじゅうに、早い時期に自由化実現ということを言っている。これは、やはり自民党の内部にもいろいろと意見の相違があるということをはっきりとあらわしているものだと思うんです。ということは、市長を初め私たちも大きく声を上げて、この自由化阻止という運動を展開するならば、米の輸入自由化を阻止できるんじゃないのか。市長の立場であれば、県や、東北や、全国の市長会といったところでどんどん発言する機会があるわけですが、こうしたものを利用して、農民初め住民、殊にも北上のような米を主要作物にしているようなところで、この辺を対処して大いに御活躍が期待されるところなんですけれども、どうでしょうか。 以上です。 ○議長(昆野市右ェ門君) 市長。 ◎市長(高橋盛吉君) 柴田議員の再質問にお答えいたします。 107号のバイパスの問題でありますが、これにつきまして、路線変更ということになりますと、地権者も変わってくるということも考えられまして、非常に困難な問題だと思いますけれども、なお、事業主体である県の意向もただしながら、促進について市としても努力してまいりたいというふうに思います。 それから、米の自由化阻止につきましては、従来からも北上市としても、また岩手県としても、また東北市長会、市議長会等々において決議をして要望しておるのでありますが、今後、さらにこのような要望をしてまいらなければならないというふうに考えております。 都市計画区画整理事業につきましては、担当部長から答弁をさせます。 ○議長(昆野市右ェ門君) 建設部長。 ◎建設部長(高橋茂君) 区画整理事業についてお答えいたしますが、第1点の工事の着手見込みということですが、先ほど市長からも答弁しておりますように、平成4年度はB調査ということになるわけでございますし、その調査が終わりますと、引き続きC調査となるわけでございますが、いずれ、これらの事業調査が早期に完成するよう努めて、これらの事業について早期に完成するように努めてまいりたいということでございます。 予定図面によって規制はできないかということですが、いずれ、これについてもC調査等が終わりまして、地域の地権者といろいろな協議の形で合意があり、その時点でここの計画でお願いすると、こういうことになろうと思います。 次に、県の補助金の増額についてということですが、これについて昨年度も要望し、県の回答においても、快く検討するということで参っておりますので、今後ともこの増額に努めてまいりたいと、このように考えております。 以上です。 ○議長(昆野市右ェ門君) 64番柴田八太郎君の質問を終結いたします。--------------------------------------- ○議長(昆野市右ェ門君) 1番金田ハルノ君。   (1番 金田ハルノ君 登壇) ◆1番(金田ハルノ君) 通告いたしておりましたとおり、市長並びに教育委員長に御質問いたします。 新しい北上市が誕生し、県内外の注目の中で、高橋盛吉市長を中心に、8万3,000人を超す市民が、まさに心を一つにして歴史的な第一歩を踏み出すことができました。この輝かしいスタートは、市民にとって大きな誇りとするところであります。市長初め関係各位の御尽力に心から敬意を表するとともに、新生北上市の隆々たる発展を願いつつ、当面する3つの課題についてお伺いいたします。 まず最初に、教育問題についてお尋ねいたします。 合併初年度に当たります今年度の北上市学校教育の基本理念として、1、人間尊重を基調とする教育、2、主体的で創造性に富む心豊かな人間形成の教育、3、生涯教育の理念に立つ教育の3点を挙げておられます。これは、新市建設計画の基本方針と、21世紀の理想郷建設の目標を受けた、遠大で格調の高い教育の基本理念でありますことに、まずもって敬意を表するものであります。この基本理念のもとに、人間性豊かな児童生徒の育成を初めとして4つの施策目標が掲げられています。物足りて心が貧しいと言われる今日、豊かな人間性に培われた温かく他を思いやることのできる心豊かな児童生徒の育成は最重点課題であると思うとき、この施策目標はまことに時宜を得たものであり、歓迎いたしております。しかし、目標達成のために実施されます具体的施策については、多くの問題点と矛盾があるのではないでしょうか。 以下、4点について御所見を伺いたいと思います。 第1点は、教育委員会が主体となって毎年実施している標準学力検査についてであります。学習指導の改善及び教育諸条件の整備のためにという目的のもとに実施されていますが、結果だけを重視して、学校のランクづけや他校との比較の材料になっている現状があるのではないでしょうか。評価の一方法として、学校にテストはつきものであり、教師が授業の成否を確かめ、個々の生徒のつまずきを把握し、自分の指導法の改善に役立てることは必要な教育手段であります。しかし、このテストが担任教師の手を離れて、教育委員会による管内一斉テストとなった場合、事情は大きく変わってまいります。学力向上という美名のもとに、このテストが学校間の、あるいは学級間の点取り競争に拍車をかけている現実、裏では点数だけにこだわる子供や教師をつくり出し、精神的な圧力が教育のいびつな状況を生み出している実態があるように聞いておりますが、どのように把握しておられるのか。また、毎年一斉テストを実施しなければならない理由は何でしょうか、お伺いいたします。 第2点目は、教員の採用状況についてであります。 1年間だけの臨時採用者が市内にもたくさんいると聞いております。しかも、定数内の臨時採用者ですが、従来のように学級査定が5月1日の場合は、その時点で生ずる臨採者はある程度やむを得ないと考えていましたが、学級査定が4月1日になった現在、なお、その状況が改善されていないのはなぜでしょうか。1年限りの臨採者が継続されているために、今、学校現場には学級担任の持ち上がりなしという異常な現象が見られます。1年限りの身分保障ですから、子供たちや親、地域とのかかわりも薄く、教育そのものへの情熱のかけ方も違ってまいります。これは北上市にとってもプラスにならないと思います。定数内臨採者は本採用が成り立つ範囲であると考えますので、教育委員会は積極的に県へ要請してほしいと願うものであります。今、市内には、どういう理由でどれだけの臨採者がいるのでしょうか。また、それを解消するためにどのような見通しをお持ちでしょうか、お尋ねいたします。 第3点目は、教員の勤務時間の問題についてであります。 残務処理、校内研修とその資料づくり、学校行事とその準備、また、各種コンクールやボランティア活動など外部からの要請も多く、それらの対応も含めて学校現場は多忙を極め、子供たちとじっくり話し合う時間はおろか、子供たちの日記や作品に目を通す時間さえ生み出せず、残業の末にさらに自宅まで仕事を持ち帰る姿も見られます。今、全国的に時短の方向に向かって世論が高まり、学校5日制なども叫ばれていますが、実際にはまだ4週6休の試行さえ手がついていない現状であります。教育委員会では、現在の教員の残業状況をどのように把握され、改善するためにどのような見通しをお持ちでしょうか、お伺いいたします。 第4点目は、教育委員会のあり方についてであります。 新生北上市民、現場の教職員は、特に新しい教育委員会に対して大きな期待と希望を持って、熱いまなざしを注いでいます。私も自分の現場経験から特に望みたいことは、市民に開かれた教育委員会、現場の教職員や父母、子供たちの声にもっと耳を傾ける教育委員会であってほしいということです。教育委員会は積極的に市民や現場教職員との対話や率直な意見交換を考えられてはいかがでしょうか。このことは昨年6月の定例議会でも申し上げ、善処する旨の御答弁をいただいておりますが、その後どうなっているのか伝えられておりません。教育委員の方々が一新されたことでもありますので、改めてこれに対する御所見を伺いたいと思います。 次は、母子家庭等医療扶助についてお尋ねいたします。 福祉サービスは先進自治体に倣うという合併協定の方針に沿って、いち早く実施に踏み切った独居老人への生活援助費交付事業は、3市町村のうち最も水準の高い旧和賀町の制度に統一されて、合併全域のレベルアップにつながりました。住民にとって、合併の恩恵が身をもって実感された明るい話題であり、市民に高く評価されております。しかし、このような矢先に、一方では母子家庭の医療費扶助を水準の低い方に合わせようとしておられると聞いて驚いております。これは母子及び寡婦福祉法に定める配偶者のいない女子で、現に児童を扶養している母親及び扶養されている18歳未満の子供、つまり母子家庭の母と子及び父母のいない18歳未満の子供を対象に医療費を助成しようとするものですが、旧和賀町と旧江釣子村では県基準を上回り、単独で20歳まで拡大実施いたしておりました。多くの母子家庭では、子供が20歳になるまで母と子が安心して医療を受けてまいりました。今回、合併により、旧北上市も当然水準の高い2町村の制度に統一されるものと信じておりましたが、逆に2町村の制度を引き下げて18歳までとする旧北上市の制度に統一されるとすれば、これは明らかに福祉の後退であり、期待を大きく裏切るものであります。 寡婦の医療費給付につきましては、水準の高い旧2町村の制度に倣い、旧北上市も5割給付が実施されることになり、県下でも他市に先駆けた福祉サービスであると、関係者一同、高く評価いたしておりますが、それと引きかえのように、母子医療の切り下げ、サービス低下を認めるわけにはまいりません。伝えられるところによりますと、改善の方向へ向けて努力されているとのことですが、どのように進んでいるのでしょうか、今後の改善策と福祉に対する基本的な考え方についてお伺いいたします。どうぞ前向きの御答弁をお願いいたします。 次に、女性の社会参加についてお尋ねいたします。 1975年の国際婦人年を契機として、女性の社会進出が著しく、現在は日本の労働人口の4割を女性が占め、男女機会均等法も6年目を迎えました。女性が各方面で十分能力を発揮し、社会に貢献できますことは、女性にとっても大きな喜びであり、生きがいであります。しかし、県の青少年婦人課が県内17市町村の2,170人を対象に実施した調査によりますと、男女の地位が平等になっていると思いますかという問いでは、平等感が1割弱で、不平等感が半数以上という答えであり、5年前の同じ調査と比べて何ら変わっておりません。女性の意識が向上しているのに対して、依然として男性優位の社会に変わりはなく、女性政策のおくれをはっきりと示していると考えられます。女性と男性がどちらが上でも下でもなく、家庭でも、職場でも、学校でも、地域でも、男女が意見を出し合い協力して、調和のとれた豊かな社会をつくることが、全世界の理想であると考えます。北上市も例外ではありません。そのためには、長い間差別されがちだった女性のための施策に特に重点を置いていただく必要があると思います。市長の施政方針演説の中では、男女平等の理念を強調した施策や行動計画について、残念ながら一言も触れておられませんでした。女性の能力や個性が十分に発揮できる地域社会をどのように築こうとしておられるのか、新市のかじ取りをなさる市長に女性たちの熱い期待が寄せられております。 以下、具体的に3点お伺いいたします。 1点目は、男女平等の意識づくりや女性が働きやすい条件づくり、さらに社会参加の促進を図るなど、男女の意識変革のための行動計画はどうなっているのでしょうか、お伺いいたします。 2点目は、市の各種審議会、委員会への女性の登用についてであります。平成2年度、県の青少年婦人課の資料によりますと、県の場合は7.4%、国の場合は7.9%の登用率になっております。旧北上市では8.3%とそれを若干上回ってはおりますが、1割にも満たない現状であり、寂しいものがあります。今年度、北上市の女子職員の採用及び登用状況は、県下13市の中でも上位にあり、特に役付け女子職員の比率は県下で最上位を誇っております。高橋市長の卓越した女性政策を市民レベルでも実現させるために、各種審議会、委員会へのさらなる女性の登用を希望するものであります。国の婦人問題企画有識者会議は、女性の地位向上のために、各種審議会、委員会への女性登用率を、向こう5年間で15%まで引き上げることを目標に掲げております。北上市では、女性委員の選考をどのように進めておられるのか。また、多くの女性を登用するための今後の見通しについてお伺いいたします。 第3点目は、働く婦人の家の建設についてであります。 昭和47年制定の勤労婦人福祉法第13条によりますと、勤労婦人に対して各種の相談に応じたり、指導、講習、休養、レクリエーションのための便宜を図るなど、勤労婦人の福祉に関する事業を総合的に行うことを目的として、地方公共団体は必要に応じ、働く婦人の家を設置するように努めなければならないとあります。県内では既に盛岡市、一関市、宮古市、釜石市、それに昨年は大船渡市に設置されております。今や盛岡市に次いで副県都と言われる北上市であります。女性の労働力確保、維持のためにも、働く婦人の家の建設に本腰を入れるときが来たと考えるのですが、いかがでしょうか。この件につきましては、昭和53年、54年、そして62年9月の定例議会で原田議員から提起され、今後の課題として設置について検討してまいりたいと市長が答弁されております。十数年来の懸案事項でございます。どうぞ、市長の前向きで決断に満ちた御所見を伺いたいと思います。 以上で私の質問を終わりますが、どうぞ誠意ある前向きの御答弁をよろしくお願い申し上げます。 ○議長(昆野市右ェ門君) 休憩いたします。      午前12時2分 休憩---------------------------------------      午後1時7分 再開 ○議長(昆野市右ェ門君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 市長。   (市長 高橋盛吉君 登壇) ◎市長(高橋盛吉君) 金田ハルノ議員の御質問にお答えいたします。 まず、母子家庭の医僚費給付制度についてでありますが、この制度は合併前の旧市町村においてそれぞれ実施しておりましたが、合併によってその水準低下を招かないよう統一したところであります。内容的には、児童の年齢を20歳未満までとするなど、旧3市町村のうちの最も高い水準に合わせて4月1日から適用することといたしております。 福祉についての基本的な考え方でありますが、市民福祉の向上を図ることが市政の根幹であることは、御指摘のとおりでありまして、常に多様化する社会状況に対応して、公正できめ細やかな施策を推進することが肝要であると存じております。 次に、女性の社会参加についてお答えいたします。 御指摘のように、どのような場合においても、男性、女性ということで差別があってはならないのは当然でありまして、女性が男性と平等の立場で、政治、経済、社会、文化、その他あらゆる分野に参加する機会が確保されなければならないということは、行政を進める上で常に基本理念として心がけていかなければならないというふうに存じております。 今のところ、市としての具体的な行動計画はないのでありますが、国の国内行動計画並びに県の新岩手の婦人対策の方向の基本的考え方を踏まえて、婦人相談員の設置事業、健康増進及び健康づくり推進事業、婦人の船及び青年の船への参加等々を推進してまいったところでございます。今後におきましては、教育委員会とも連携を図りながら、婦人の方々による具体的な活動について、御意見を伺いながら検討してまいりたいというふうに考えております。 次に、行政における男女平等の問題でありますが、女性の職場進出は、地方公共団体においても、民間企業と同様、最近、目覚ましいものがあります。このような状況の中で、まず、行政みずからが女性の能力を発揮させることが、地域社会における男女平等の意識づくりのためにも重要であると考えます。近年は行政需要の多様化、高度化が進み、その事務は質的、量的にも拡大していく傾向にあります。このような中で、市行政においても、女性の発想とセンスを職場に導入することによって、組織の活性化が図られるとともに、女性の生活感覚豊かな視点を政策決定や行政運営の意思決定に積極的に導入することにより、行政サービスの向上が図られるものと考えております。このことから、1つは、男子職員と同様に、あらゆる分野の職への配置をより積極的に行う。2として、職場外の研修へ積極的に参加してもらう。3としては、能力主義に基づく管理職員への登用を図る。4として、女子職員が能力を発揮しやすい職場環境づくりを行う等々のことを今後も積極的に進めてまいりたいと考えております。 各種審議会への女性の登用でありますが、先ほど申し上げましたとおり、女性の新しい発想視点を導入することが、市行政はもちろん、市民サービスの向上につながることから、各種審議会等への委員選考に当たっては、積極的に女性の登用を図ってまいりたいというふうに考えております。また、より多くの女性を登用するためには、1人の委員が各種委員を兼ねている例が多いのでありますが、できるだけそれを避けて、多数の方々に参加してもらうように検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(昆野市右ェ門君) 教育委員長。   (教育委員会委員長 高橋忠幸君 登壇) ◎教育委員会委員長(高橋忠幸君) 私からは、教育問題についての第4点目の教育委員会のあり方について御答弁申し上げ、その他については教育長から答弁いたさせます。 市民に開かれた教育委員会ということでありますが、御承知のとおり、昭和31年改正されました地方教育行政の組織及び運営に関する法律に、その基本的理念が示されております。すなわち、その理念とするところは、教育委員会が、その役割と機能を正しく発揮するには、公正な民意を十分に把握確保し、専門的指導機能を高度化するところにあります。 御指摘のように、民意を十分に確保するためには、積極的に市民や現場教職員との対話が必要であることは、申すまでもないことであります。教育委員会として、そうした基本的な姿勢を堅持しつつ、本年度対応しようとしている具体的な方法について申し上げます。 まず、教育委員会議でありますが、会議公開の原則に基づき、教育委員会では可能な限り一般市民に公開してまいります。また、学校現場の教職員との話し合い、意見交換の場として、教育委員会の学校訪問を従来より実施してきたところでありますが、本年度も積極的、計画的に実施してまいりたいと考えております。特にも、本年度は教育委員会事務局職員、指導主事のほかに各教育委員も参加し、具体的に児童生徒の学習する姿を参観するとともに、校長以下各教職員の生の声を聞き、その実情と問題点について、つぶさに話し合うことといたしております。また、日常における学校教育上の課題につきましては、毎月の定例校長会議等で提起をいただき、さらに、教頭会議、教務主任研修会等では具体的な教育課程の改善策等を話し合う機会を随時設定し、実施してまいりたいと考えております。 このほか、学校現場以外の関係におきましても、市P連等を通しての対話、公民館活動、文化活動、体育活動等を通じ、教育委員会として目標、方向を明示し、種々御意見を賜りながら施策を展開していく所存であります。今後とも開かれた教育委員会の確立のため努力してまいりたいと存じますので、よろしく御理解を賜リたいと存じます。 ○議長(昆野市右ェ門君) 教育長。   (教育長 成瀬延晴君 登壇) ◎教育長(成瀬延晴君) 教育問題に関する質問、3点についてお答えをいたします。 まず初めに、管内一斉に行う標準学力検査についてですが、教育上の弊害をどう把握しているか、また、毎年実施する理由は何か。 当市におきましても、学力向上は教育上の重要な課題であり、今年度の重要な施策目標の一つとして掲げております。この学力向上策の一つとして、児童生徒の学力の実態を把握することは、教育課程の編制・実施、学習指導計画の改善、指導と評価の一体化を図り、効率の高い学習活動の展開、この3つの点から、各学校において必要不可欠のものであります。そこで、この実態把握のために必要な事業の一つとして、市内小中学校に標準学力検査、知能検査を実施しているものであります。 以上、申し上げましたように、標準学力検査等は、市教育委員会として重要な施策の一つとして実施している事業であり、その検査結果に基づき各学校の教育課程の改善、学習指導の充実に役立てているところであります。このために、教育上の弊害が生しているということは、これまで実施した過程では特に承知しておりません。もし、御指摘のような問題があるとすれば、正しい理解を図らせ、早急に改善するよう指導してまいりたいと存じます。 なお、毎年実施していることについては、以上、申し述べてまいりました理由から、全学年にわたって毎年実施することが望ましいのでありますが、このための諸経費がかさみ、財政負担が大きくなることから、小学校は第3学年、第5学年、中学校は第1学年、第2学年に限って実施しているものであります。指導と評価を継続的に実施することで、指導の効果が上がり得ると考えます。 次に、臨時採用教員の実態と、それを解消するための対応策について申し上げます。 基本的には、病休、休職等の補充を除き、年度当初には本採用教員を任用すべきであり、やむを得ず欠員が生した場合には、学校運営に与える影響を最小限にするために、可能な限り早急に補充を行うべきものと考え、県教委にもその方向で依頼しているところであります。 市内の臨時的任用教員数は、4月当初で申し上げますと、次のとおりであります。欠員補充、小学校7名、中学校3名、計10名。休職補充、小学校1名、中学校ゼ口、計1名。産休補充、小学校5名、中学校1名、計6名。育児補充、小学校3名、中学校ゼロ、合計3名。研修補充、小学校1名、中学校1名、計2名。トータルしますと、小学校が17名、中学校が5名、計22名でございます。なお、6月10日現在ではさらにふえておりまして、32名になっております。 このうち、欠員が生ずる理由について申し上げますと、採用候補者として登録されながら採用されない者が出ないようにするため、候補者数の決定に当たっては、その時点で確実に採用できると予想される数のみを候補者数としております。したがって、採用候補者決定後に退職者の増加や採用予定者の辞退等があった場合には、やむを得ず欠員となるものです。これに対する対応策としては、年度当初の欠員が生じないよう、指導生徒数、退職者数等の調査を一層厳密に行うとともに、やむを得ず欠員が生じた場合には、可能な限り早急に補充を行うようにしているところであります。なお、臨時採用者の中には、教育に対して情熱を持ち、すぐれた能力を有する教員が多くいることを申し添えます。 次に、教員の残業状況とその改善について申し上げます。 教員の勤務については、職務と職責の特殊性から低量化できない部分がありますが、勤務時間内で処理できることが望ましいことは言うまでもありません。しかし、現状では教育活動が児童生徒にとっていっときもおろそかにできない営みであり、教師に対し、児童生徒、父母、地域社会から多くの期待が寄せられております。また、近年、目まぐるしい社会の変化等により児童生徒の非行や登校拒否等があり、教育を取り巻く環境は極めて厳しくなってきております。このような状況の中で、多くの教師は教育に対する期待にこたえるために渾身の努力をしているところであります。5月時点での教職員1日当たりの平均残業時間の状況調べによりますと、次のとおりであります。小学校平均26分、中学校平均48分です。なお、学校の規模により、時期により、個人により、職務内容等により大きく異なるものであることを申し添えます。 このような状況に対する今後の対応策としては、次の点に留意して残業時間の軽減を図るよう指導していきたいと思います。 学校教育、社会教育、家庭教育の連携を図り、それぞれの果たす役割のより明確化に努めること。2番目に、学校においては、適正な勤務時間の管理及び適正な公務文書の管理に努め、学校運営の効率化を図ること。3つ目、児童生徒の指導に当たっては、指導内容の精選等指導事務の効率化に努めること。4つ目、健康管理に留意し、教員の教育実践意欲の減退にならないように注意を払うこと。 以上でございます。 ○議長(昆野市右ェ門君) 産業部長。   (産業部長 小原教雄君 登壇) ◎産業部長(小原教雄君) 1番議員の女性の社会参加についての3項目目でございます働く婦人の家の建設についてお答えいたします。 中小企業に働く労働者の職業相談等各種相談、講習、研修並びにスポーツ等の活動の場を提供することを目的として、平成元年度に北上勤労者総合福祉センター、サンレック北上でございますが--を整備し、勤労者の皆さんには大いに利用されているところでございます。 御質問のありました働く婦人の家の建設につきましては、新市の建設計画の実施事業として盛り込んでおります。建設整備の具体的な点につきましては、今後検討してまいりたいと思っております。なお、それまでの間、働く婦人の皆さんには、既存の勤労者福祉施設を有効に活用していただくよう促進してまいりたいと存じております。 以上、働く婦人の家の建設に対する答弁といたします。 ○議長(昆野市右ェ門君) 1番。 ◆1番(金田ハルノ君) 4点について再質問いたします。 第1点は、管内一斉学カテストについてでありますが、テストは子供たちへの影響が大きいゆえに、いつでも慎重でなければなりません。本来のテストの目的からかけ離れて、結果だけが重視されて、他人の手を離れてひとり歩きする現状の一斉テストについて、偏差値の平均点を上げるために、現場ではいろいろと正しくないことが行われているといううわさを耳にいたします。具体的なことは今は申し上げませんけれども、大変憂慮するものであります。教師が、そういう正しくないことをしたくなるような、あるいは点数の取れない子供はきょうは体んでほしいと思うほど追い詰められている、そういう非教育的な現状が広がっていると言われる実態について、私もこんなことは信じたくないのですけども、事実だとしたら、本当の意味で学力向上につながらないばかりか、子供たちの心をゆがめてしまう結果にもなりかねないと思うのです。心豊かな子供たちを育てるために、今求められていることは、偏差値競争をさせるのではなく、教師がどれだけ豊かな人間関係を子供たちと築き上げることができるかであると思いますが、それに対してどのようにお考えでしょうか、御見解を伺いたいと思います。 2点目は、教員の勤務時間の問題についてであります。 労働省は、1993年には年間1,800時間に抑えるということを提唱しております。この時数は、完全週休2日割にして、残業をゼロにしなければ成り立たない数字であります。現在ではこの実現は大変厳しく、遠い道のりであると思われます。しかし、遠い道のりも一歩を踏み出すところから始まります。あと2年、今から心構えを持って、その一歩を踏み出す準備をしていただきたいと願うものですが、どのような見通しをお持ちでしょうか、お伺いいたします。 3点目は、母子家庭の医療費扶助についてであります。前向きの改善策をお示しいただきましたが、水準の高い制度に聳わせるということで、大変うれしく思います。 そこで、確認ですが、子供が満20歳になるまで、母と子両方に対して、それから、高い方の制度といいますと、所得制限はなしで、そして、もう既に実施に人ってしまっているので、それを4月にさかのぼって適用するということを、新市全域を対象に実施するのだというふうに理解してもよろしいのでしょうか、お伺いいたします。 それから、4点目は、働く婦人の家について伺います。 早急にはこれへの対応が困難であると思います。そこで、現在働く婦人、つまり女子労働者にきちんと視点を当てた事業を推進する課が明確になっているのでしょうか。教育委員会が担当する生涯教育やあるいは婦人学級とは別に、女子労働者の生き抜く姿を援助してやる目的をきちんと踏まえ、専門に担当する課を、産業部関係の中にでも位置づけてほしいと思います。働く者の中で、特に多くの問題を抱えている女子労働者への援助の部分がいま一歩埋没しているように思えてなりません。働く婦人の家があれば、専門にそこを担当し、就労に結びつけることができるのですが、北上市では今、どこの課がこの部分を担当なさっているのでしょうか。 以上、4点質問いたします。 ○議長(昆野市右ェ門君) 市長。 ◎市長(高橋盛吉君) 金田議員の再質問にお答えいたします。 母子家庭の医療費給付制度につきましては、今お話がありましたように、20歳未満、所得制限なし、4月1日適用ということでございます。 ○議長(昆野市右ェ門君) 教育長。 ◎教育長(成瀬延晴君) 2点についてお答えいたします。 最初に、管内一斉学カテストについてでございますけれども、御質問によると、本来の趣旨を逸脱したような形で行われている心配があるという趣旨のお話でございましたけれども、やはり実施するねらいというものを明確に把握して、それを知っていかなければならないし、御質問の中での御指摘がありましたけれども、これはあくまでも指導教師の指導資料として、あるいは指導の見直しとして使っていくものであるということだろうと、このように思います。そういう意味で、これが子供たちの学習意欲につながらないような学校での指導であってはならないだろうと、そんなふうに考えております。 それから、2点についてですが、テストをした結果の分析を非常に大事にしております。テストした結果は、それはそのまま学校に返すわけですので、学校の中で自分たちが今まで指導してきたところのどういう面が欠けているのかということを学校の中で検討する、これが第1点。それから、教育委員会としては、分析委員を各学校から出していただきまして、その中で、全部のテストについてできませんので、抽出をいたしまして、そして北上市としては指導面でどういう面が欠けているのか、どういう内容に落ちがあるのか、そういったことを検討し、それをまとめて各学校に指導資料として配付をしております。 第2点目ですが、勤務時間につきましては、やはり週休2日制の方向に社会全体が進んでいるとすれば、学校としてもそういう方向にやがては行くだろうと思いますけれども、そのためには、それなりのいろいろなそういうことを実施するに当たっての家庭や、地域や、そして学校や、そういったところの受け皿といいますか、そういったものが整わないとできないことであります。それで、現在、文部省で学校週休2日制の調査研究協力校というのを全国に設けまして、実際に試行してみている。そして、その結果についていろいろ分析をしております。そういうものがいろんなところに資料となって出ておりますので、当教育委員会としましても、そういったものをよく見て、分析をして、北上市に見合うものを考えていかなければならないだろう。したがって、国の動き、あるいは県の指導、そういったものを見ながら、今後進めていかなければならないだろうと、そのように考えます。 ○議長(昆野市右ェ門君) 企画調整部長。 ◎企画調整部長(小野信義君) 働く婦人の専門の担当課を考えてはどうかという御質問でございますが、本来は労政にかかわる業務といいますのは県がつかさどるわけでありますが、それの窓口ということで、市としては商工観光課を窓口にしているというところでございます。 以上であります。 ○議長(昆野市右ェ門君) 1番。 ◆1番(金田ハルノ君) 重ねて1点だけ御質問いたします。 今、各学校では独自に必要なくらいテストは実施していると思います。この一斉学力テストのほかに学力向上策はないものなんでしょうか。本当の学力とは何かと考えた場合、他にも方法があるのではないでしょうか。これに対する御見解と、点数至上主義ではなく、点数ではかれない子供のよさを大事にしてほしいと願うものですが、教育委員会ではどんなふうにしてそこの部分を評価されておられるのでしょうか、あわせてお伺いいたします。 以上です。 ○議長(昆野市右ェ門君) 教育長。 ◎教育長(成瀬延晴君) 学校での指導分野というのは、教科指導、生徒指導、そして特別活動の指導、道徳の指導と、こういう領域の中での指導がなされているわけでありまして、この学力検査というのは、学校生活の中で1日5時間から6時間学習をするわけですが、そういう非常に重要な内容といいますか、そういう内容についてのいろんな調査をする。そして、基礎的な学力をまず身につけなければならないということが、北上市の場合には大きな課題であると考えていますので、そういった面での検査であります。 それから、道徳の指導、あるいは生徒指導、そういったことにつきましても、もちろん重点目標を定めまして、各学校で取り組んでいただいております。その結果の評価につきましては、これはいろいろなこういう調査という形ではなかなか難しいわけですので、いろんな市教研とか、そういった場の中で、現場の先生方の声を十分反映する中で、どのようにそういう面での教育がなされているかということを把握し、そして、さらにその改善を図るため次年度の計画に組み入れていくという方法をとっております。 以上です。 ○議長(昆野市右ェ門君) 1番金田ハルノ君の質問を終結いたします。 休憩いたします。      午後1時44分 休憩---------------------------------------      午後1時51分 再開 ○議長(昆野市右ェ門君) 再開いたします。 教育長。 ◎教育長(成瀬延晴君) 金田議員の質問に対する答弁の中で、全学年にわたって毎年実施することが望ましいのでありますが、しかし、このために諸経費がかさみ、財政負担が大きくなることからということで、小学校が3年、5年、中学校が1年、2年に限って実施しているものでありますと申し上げましたのは、旧北上市の場合にそのように実施しているわけでございまして、考え方としては、経費もさることながら、小学校の3年、5年、中学校の1年、2年で実施することが実態把握の上では望ましいのではないかと、そのように考えます。 ただいまのように補足をさせていただきます。--------------------------------------- ○議長(昆野市右ェ門君) 39番柏葉明君。   (39番 柏葉 明君 登壇) ◆39番(柏葉明君) 通告いたしておりました地方行革大綱と北上市政の問題について、2つ目はリゾート開発の問題について、2点お伺いをいたします。 地方行革大綱と北上市政の問題ですが、1981年3月に発足した第2次臨時行政調査会、第2臨調と言われていますが、これが始まってからことしで10年目を迎えています。私どもは、この臨調・行革の目的は、過去に大資本のためにばらまいた、その膨大な借金累積の後始末と、軍備拡張の財源づくりにあり、一挙に既存の制度を見直すことになると指摘をしてまいったところであります。実際、この間、臨調・行革に基づく攻撃は、地方行財政の分野においても例外なく実施されてまいりました。1983年の答申では、地域の独自性に基づく行政サービスについては、基本的には受益者である地域住民の選択と負担によって行われるべきものとしました。この標準的行政水準とは、地方行政における一種の準生活保護費的な域を出ないと言われているものであります。それ以外の地域独自の行政サービスは、地域の選択と負担でやってもらいますということであります。こうして自治体に対して住民サービスの削減を強要し、使用料、手数料の値上げを押しつけ、国は、地方交付税や補助金など国から自治体の支出を節約し、上積み福祉の禁止、国水準を上回る職員給与の引き下げの強要など、自治体の独自性を否定してきました。 しかし、地方自治体では、第2臨調が発足する前から独自の行政改革が進んでいました。それを地方自治体に全国に一律に強制したのは1984年でした。85年の1月には、地方公共団体における行政改革通達を出し、行革大綱モデルや想定問答集の発行や実施状況の報告を求めるなど細かく指示し、促進してきたのであります。こうして多くの自治体がほぼ一律の行政改革が進められることに相なったのであります。 地方行革の実施状況は、自治省の調査によれば、民間委託は81年から88年の8年間で2万7,997件、補助金の整理合理化は14万724件、206億7,900万円、出先機関の統廃合1,063件、職員数では、病院、交通、水道など地方公営企業部門を除く普通会計で、85年から89年の5年間に1万1,768人の減となり、激しい合理化が進められてまいりました。こうして、使用料、手数料の値上げ、補助金の削減、カットなど切り捨て合理化を図りながら、一方では少なからぬ自治体で金余りになっているのであります。当市でも、予算審議でも明らかになりましたが、34億円を超える基金をもって合併したのであります。 私は、このような行政サービスを切り下げる地方行革をそのまま受け入れることなく、市民の利便の向上を図るためにこそ、心血を注ぐ民主的な行政改革を市民とともに築き上げていくことに努力することが大事だと思うのでありますが、いかがでしょうか。 お聞きしますと、行革大綱の作成や行革懇談会の設置はこれから準備をし、来年度の予算編成に反映させたいとお伺いをいたしております。当市の行政改革の方向はいかにお考えでしょうか。 リゾート開発の問題についてお伺いをします。 リゾート開発と地域経済効果の問題ですが、私は、旧北上市議会のときからリゾート開発の問題を取り上げてきたところでありますが、今回、御質問申し上げますのは、地域の経済効果の側面から若干立ち入ってお伺いをするものであります。 当市の夏油高原開発は、国が指定した総合保養地域整備法によるリゾート開発ではありませんが、岩手県版リゾート構想とも言うべきもので、須川・焼石山麓リゾート地域に入っており、その対象は北上市、一関市、花泉町、湯田町など11市町村、17万5,023ヘクタールとなっております。国際興業が中心になって実施するスキー場やホテルの開発の手を加える面積は1,000ヘクタールとされております。 そもそもリゾートとは、観光旅行のような行きずりの行楽地でなく、人々が相当な期間、日常の生活から離れたところで疲れをいやし、心身をリフレッシュできるということができましょう。ですから、すべての国民が楽しめるリゾートであれば大変望ましいことではあるのであります。しかし、今日のリゾート開発は、もっぱら民活、つまり大企業の投資の拡大の視点から考えられていると言わなければなりません。全国どこでもリゾート開発と言えば、内陸型リゾートでは、リゾートホテルまたはマンションもしくは別荘、そしてゴルフ場、スキー場ということで、金太郎あめと言われるほど画一的なものになっております。リゾート開発の3点セットとか、三種の神器とか言われているそうであります。 では、なぜリゾート開発ということになると、このようなことになるのでしょうか。それは、これらの施設が開発企業にとって投資資金が早く回収できるという魅力を持っているからだと言われています。豪華なリゾート気分を専有している一部の人たちに比べ、庶民生活の現実は、やっとの思いで計画する2泊3日程度の家族旅行、高い交通費、宿泊費を払い、その後の生活は節約して暮らすとか、国民の休暇や余暇を楽しむ経済的な不平等は大きくなっています。フランスでは、スペイン国境に近い海に面した国家的開発で実現した広大なリゾート地では、家族用賃借アパートが1週間で3万5,000円から4万円といいますから、日本とは大きな違いです。国民生活から見ても、長期滞在型保養地でどれだけの市民がリフレッシュできるのか疑問であります。 一方、開発には地域再生の夢をかける期待が地方自治体や住民にもありますが、大企業中心のりゾート開発では、その経済効果が余り期待できないというのが実態のようであります。 私は、ここで幾つか実例を申し上げてみたいと思います。 ことし3月21日の中国新聞では、「瀬戸内リゾートは甘くない」、「経済浮揚効果は疑問」と報道しております。これは、日本開発銀行、広島銀行など関係する地方6銀行などによる還瀬戸内海振興計画研究会が、リゾート開発への警鐘を盛り込んだ「瀬戸内のリゾート開発と地域振興」と題した報告を報道したものであります。報告によりますと、瀬戸内地域には、昨年3月現在150件、投資総額2兆2,000億円のリゾート計画がある。ただ、仮に全部実現しても所得拡大効果は0.3ないし1.6%、雇用効果は0.5%以下にとどまるとしています。 数少ない成功した例と言われている岩手県の安比リゾート開発の場合はどうでしょうか。 安代町は農業と林業、鉱山の町でしたが、花輪鉱山の閉山などで過疎化の波に洗われていただけに、安比高原の開発には、地域住民からも町の活性化へつながるものとして熱い期待が寄せられておりました。8年を経過した今日はどうなったでしょうか。安比総合開発がまとめた資料によれば、8年間で安比高原スキー場が地元に落としたお金は、町村税、従業員給与、宿泊代、飲食代、原材料仕入れ代、設備投資代金、用地代など72億3,000万円に上ると言われています。しかし、元安代町の幹部職員は、確かに民宿などで一部恩恵は受けているが、住民全体としては利益を受けていない。結局、リクルートだけがいい思いをしているのではないかと言っております。ここでは過疎の進行に歯どめがかかっていません。1980年当時、8,714人だった町の人口は、88年には7,402人へと一貫して減少しています。最大の問題は、労働条件がひどいのに加え、雇用を地元優先にしていないことだとの指摘もあります。実際、スキー場の要員などは1日4,500円の賃金で、これでは東京の出稼ぎをやめてここで働こうという気持ちにはならないと思うのであります。ここで雇用されている人は、平成3年現在で、男性が81人、女性が38人で、町内の雇用が半分にも満たないそうであります。女性は50代が多く、託児所も用意されているが、その必要も余りないとも言われています。 商工会関係者は、民宿や一部の出入りしている業者を除き、商店街の売り上げはここ数年落ちていると言います。100万人のスキー客の恩恵を受けていないのは確かだと言います。観光産業工事発注額は、総額124億円の中で、地元の建設業者への発注率は7%弱で、極端に少ないと言われています。 町内の農業振興にもほとんど役に立っていないようであります。町長も、安比高原に人が来れば野菜や安代牛がどんどん売れると強調したようでありますが、野菜などは町外からの仕入れがほとんどだと言います。安比高原の開発は、町民の側からすれば、地域活性化や雇用確保がねらいでありました。だからこそ、開発主体を県や町も参加した第三セクターにしたのでありましたが、実際にはりクルートの思惑を実現する上で、この第三セクター方式がフルに役立ったのでありました。 夏油高原開発の実質事業主体である国際興業の場合には、リクルートと違って、地酒や野菜など地元のものを比較的使用するようであります。それにしても、恩恵を受けている一部を除くと、農村の活性化、商店街の振興にはほとんど影響が及んでいないようであります。各地の実例を見るにつけ、リゾート開発に期待を寄せる農村や商店街の活性化の夢は破れているとも思われますが、市としては夏油高原開発による地域経済への影響はどのように予測しておられるでしょうか、お尋ねをいたします。 今、欧米諸国では、リゾートの主要な流れは、自然との生の形での接触を重視する田園型のリゾートに変わりつつあると言われております。欧米諸国でも1960年代に大規模開発が行われ、自然の侵食、土壌の流出等が起こり、そうした反省の上に立って、小規模・分散型の多様的な観光・リゾート開発が行われるようになったようであります。西ドイツのバイエルン州では、農家の50%、1万戸が民宿を行っております。農村全体がよく手入れをされた公園のようで、景観保全に注意を払った美しい光景だと言われています。それぞれの農家は、畜産、酪農をやりながらロッヂなどを用意し、滞在客は自炊をしながら牛と遊んだり、農作業を体験したり、サイクリングを楽しんだり、自然の中で思い切り心身のリフレッシュをしているとのことであります。 このような例は外国に限ったものではありません。福島県南会津郡只見町では、荒れている山すその畑や雑木林、後継者がいなくなって放置されている杉林、移転や新築で住む人のいなくなった民家などに手を入れて都会の人たちに提供する、今あるものを生かした懐かしい風景、空間、時間をつくるという考え方でリゾートづくりが進められています。ほかにも長野県、北海道など、土地柄、風土を生かしたリゾートづくりを進めているところがたくさんあります。 当局でも各地の独自の開発事例をかなり収集しているようであります。農業に力が入れられ、農村の活力が日本と格段の差がある欧米諸国とは条件の違いはありますが、我が国でも取り組まれているリゾートづくりを各地の経験に学ぶことが大事ではないでしょうか、考え方をお伺いいたします。 ○議長(昆野市右ェ門君) 休憩いたします。      午後2時12分 休憩---------------------------------------      午後2時38分 再開 ○議長(昆野市右ェ門君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 市長。   (市長 高橋盛吉君 登壇) ◎市長(高橋盛吉君) 柏葉明議員の御質問にお答えいたします。 まず、行政改革についてでありますが、行政改革は、地域の発展と住民福祉の向上を効果的に推進するためには、自治体として常に取り組まなければならない課題であると存じます。特に、本市は本年4月に新たにスタートしたのでありますが、合併に際しまして、新しい市の制度、機構、定数、手続等について可能な限り想定し、準備をして発足したのでありますが、しかし、具体的に行財政を運営する中で不合理な点がないか、あるいはむだな点がないかということを点検し、改善を図ってまいらなければならないというふうに存じております。なお、行政改革に当たりましては、有識者で構成する委員会を設置して広く意見を求め、議会を初め市民の理解と協力を得ながら計画的に推進してまいりたいと考えております。 次に、夏油高原開発についてでありますが、平成2年7月、夏油高原が県版のリゾートと言われる須川・焼石山麓リゾート特定地域に設定されておりましたが、この6月3日、国の森林空間総合利用地域に指定されたのでございます。通称ヒューマングリーンプランと言われるこの事業は、森林に対する国民的な要請にこたえて、国有林野の中に自然景観のすぐれた地域、野外スポーツに適した森林空間や温泉等を積極的に活用し、野外スポーツ、教育、文化、保養等の施設を総合的に整備して、人と森林との触れ合い、都市と農山村との交流、地域農産物の開発等地域振興に寄与し、国民福祉の増進に資するものということになっております。このような指定は、全国140以上の候補地の中から、青森営林局管内では3カ所目の指定でございまして、夏油高原リゾート開発に弾みがつくものと存じております。 夏油高原開発事業の中で、その中心的な施設でありますスキーセンターについては、従事する従業員について、地元住民を優先して雇用するということになっております。また、食堂、売店等につきましても、テナントを地元から入れる考えで、近く関係者と説明会を持つという予定になっております。また、農産物等の諸物資につきましても、可能な限り地元から調達するということになっております。また、民宿等につきましては、地域の住民の方々が先進地調査などを行って積極的に取り組もうとしておりますので、市としても、これを地元の振興に役立つように取り計らってまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(昆野市右ェ門君) 39番。 ◆39番(柏葉明君) 再質問いたしますが、福祉の効果的な前進のために、行政改革は推進しなければならないというお答えでした。幾つか具体的にお伺いしますが、かつても地方行革大綱というのをつくりまして、各課に要請して、その大綱に沿ってそれぞれ合理化を図るような通達を出したこともございます。その文書も持っておりますけれども、一つは、合併前から言ってきたことでありますが、職員数のことも合理化をするという方針が合併の内容でありました。何回も申し上げておりますが、100人ほど合理化しなきゃならないということでありましたが、類似都市と比較して多いというのがその理由のように記憶をいたしております。しかし、職員の実態を見れば、合併して職員は多くなったけれども、職員の勤務が楽になったとか、暇になったとか、そういう状況は見えないんです、私には。類似都市に比較して多いということではあっても、現在の職員数がフルに自治体の業務を支えている現況から見て、必ずしも職員の定数を減らすということが、自治体の住民福祉にとって前進的な方向だとは思えないのですが、その点はどのようにお考えでしょうか。 あわせて、各種補助金の合理化ということが、かつての地方行革大綱でも出されておりました。予算審議でも出ましたけれども、例えば、旧北上市ではPTA補助金をカットしておりましたが、旧和賀・江釣子では残っておった。こういうのも廃止をするという方向になるのでしょうか。そういうことも、行革大綱のこれからの懇談会の設置となって、それで答申を受けることになるんでしょうが、そういうことはどのようにお考えなんでしょうか。 リゾート開発の問題ですが、かつて私がこの問題で市長にお尋ねをしたときに、出資が少なければ発言権が弱いんだと。どうだということでお尋ねしたんですが、市長は、出資の比率にかかわらず、市としては申し上げるべきことは申し上げるというお答えをいたしております。 そこで、先ほど私が申し上げましたが、やはり北上市の独自のカラーを持ったリゾート開発、各地の経験は先ほど申し上げましたので繰り返しませんが、北上側からそういう提案をするということがあってもいいんじゃないかなと。それがかつて市長がお答えになった発言をどんどん申し上げていくんだという姿勢だろうと思うんですが、市としては、こういうリゾートをつくってもらいたいという構想をつくる際のどういう提案を持っておられるのか、その点もお伺いしておきます。 リゾート開発の経済効果の問題なんですけれども、リゾート開発をすると自治体財政も潤うというのが大方の期待なんですけれども、鳥取県の例なんですけれども、ホテルの名称は申し上げませんけれども、「ふるさと大山ふれあいリゾート構想」という資料があるんですけれども、細かくは申し上げませんが、投資規模が1億1,245万円、それに対して、従来の自治体に比べて税収の増が1,547万円ということになっております。ですから、そう大きな税収にはなっていないということのようであります。 安比の場合ですと、これは数字としては出ておりませんけれども、町税の増減は町財政に大きな変化がなかったという報告がございます。あわせて、固定資産税の免除が3年間あるということですね、これはスキー場の建設に際して。ですから、投資規模、自治体も負担するわけだが、地方財政、当市の市財政にどういう経済効果があらわれるかということについては、各地の例がこういった数字が出ております。こういう報告が出ております。 当市では、いわゆる経済効果ということについて、住民も期待はありますが、どのように試算しておるのか、あるいは試算しなくても、こういう見通しであるということは考えておられるのか、その点についてお尋ねをします。 ○議長(昆野市右ェ門君) 市長。 ◎市長(高橋盛吉君) 行政改革についてでありますが、3市町村合併に伴うトータルの職員数が、類似都市に比べて100人余多いということははっきりしておるわけでありまして、これは長期的に調整を図っていく必要があるというふうに思っております。ただ、その場合に、類似都市に比べて何人多いから、その分削減するというのではなしに、仕事の実態に合わせて調整をしていく必要があるというふうに思っております。無論、サービスの低下にならないように、十分その点は留意していかなければならないと考えております。 それから、補助金等の合理化でありますが、これもやはり情勢の変化によって絶えず見直す必要があります。もう補助目的を達成したものもあるし、補助内容が時代にそぐわないというものもあるわけでありますので、ところが、一面は新しい需要によって補助を考えなければならないということもありますので、絶えずこれは見直して、そして新しい行政需要に対応できるようにしていかなければならないというふうに考えております。 それから、リゾート開発についてでありますが、これにつきましては、できるだけ地元の振興に役立つこと、あるいは自然環境の保護に十分留意すること、こういう点については市としても強く主張してまいりたいというふうに考えております。このリゾート開発がどの程度地域の振興に役立つのかということは、御指摘のようないろいろな先進地の例がありますので、これらにつきましても調査をしながら、いろいろ地域の振興の方法について具体的な検討をしてまいりたいというふうに考えております。 ○議長(昆野市右ェ門君) 39番。 ◆39番(柏葉明君) リゾート開発でお尋ねをしますけれども、市長のお答えで、今、先進地の例を見ながら地域の効果を見きわめたいということでしたが、産業部長にお尋ねしますが、経済効果は先ほど実例を申し上げましたが、当市ではこうなるだろうというふうな予測で試算したことがあるのか、ないのか、その点をお伺いします。 それから、市長の先ほどのお答えでは、当市としても独自のカラーを持ったリゾート開発をという私の質問、提案に対して、特に具体的な内容には言及しておりません。ということは、国際興業に任せているんだということにも聞こえるんですけれども、当市として、こうこう、こういう提案をして、北上市としてのカラーも持ってもらいたいという提案をするつもりがあるのか、そういった点はどうでしょう。 ○議長(昆野市右ェ門君) 市長。 ◎市長(高橋盛吉君) リゾート開発、スキー場の開発というのは、かなり専門的な、技術的な面がむしろ多いと思いますので、そういう面に細かく提言するというのではなしに、先ほど言いましたように、すぐれた自然環境をできるだけ保護するということに留意してもらいたい。それから、地元の経済、地元産業にできるだけ結びつけるようにと、そういう大きな立場での提言は今もしておるところでございますし、これからも要望をしてまいりたいというふうに思います。 ○議長(昆野市右ェ門君) 産業部長。 ◎産業部長(小原教雄君) どのような経済効果があるか、試算したことがあるかということですが、試算はしてございません。ただ、先ほど市長が申し上げた内容の詳細については、例えば農産物の供給についてはぜひ地元のものを入れてほしい、あるいは建物に対するテナントについては北上市の商工会議所と協議をしながら、その分も話し合いをしたいというようなこと、その他の物資についても地元のものを入れるような方向でということで、これは協定書が結ばれてございます。それから、地元雇用についても、これは協定書の中に入ってございますので、それらも含めて総合的な経済効果があるものというふうに確信をいたしてございます。 ○議長(昆野市右ェ門君) 39番柏葉明君の質問を終結いたします。--------------------------------------- ○議長(昆野市右ェ門君) 35番小沢幸三郎君。   (35番 小沢幸三郎君 登壇) ◆35番(小沢幸三郎君) 私は、2つの問題につきまして御質問申し上げます。質問の内容は、いずれも市として直接に執行できるものではありませんが、市として大きくかかわる内容でありますので、よろしくお願い申し上げます。 第1は、住民の窓口となる国・県機関の設置と、既設の機関の充実についてであります。 かつて、合併前の3市町村開発協議会の総務部会に、北上市の総務常任委員会から県等の公共施設の誘致等についてを提案し、協議会からは3市町村長に対して、このことについて努力されるよう要望しましたが、合併によって、この件につきましては、他の未解決事項の1項目として引き続き努力されるよう市当局に要望しているものであります。 この場合の県等の公共施設とは、テクノポリス計画に関連して、北上地域の特性に合った、特に工業の試験研究施設の設置が主要目標でありましたが、市当局の各方面への折衝の熱意が実りまして、北上情報処理学園、すなわちコンピュータ・アカデミーが本年4月に開校を見ましたし、また、県立の生物工学研究所の建設が決定しまして、本年度県予算で約8億4,000万円の予算が計上されておりまして、心から敬意を表しますが、今後とも一層の成果を期待するものであります。 今回の質問は、国・県機関の施設のうち、特に直接住民の窓口となる、例えば税務署の設置や、あるいは既設の法務局北上出張所などの充実について働きかけしていただきたいということであります。 北上市は合併によって人口は8万4,000人を数え、第一次産業、第二次産業の生産額も県下第1位となりましたし、全国でも有数の区画整理事業を初め多額の社会資本の投資によりまして、着々と副県都としての形態を整えつつあります。しかし、ここで申し上げたいのは、都市的な施設のバロメーターとして言われます、いわゆる国・県の官公署の数、内容が他市に比較して劣っているということであります。 昭和29年、1町6カ村の合併によりまして、北上市制施行の申請をする際に、種々の都市的要件を備えていなければなりませんでしたが、その要件第1号として、税務署、保健所などの官公署が5つ以上設けられていることの要件がありました。当時の黒沢尻町は、花巻町、水沢町の谷間にあって税務署などもなく、官公署の数においてもおくれをとっておりまして、両町から差をつけられた感を深くしておりました。その後、現在まで税務署は置かれずにおりまして、不便を感じておりますが、北上市の現状からして、また、将来を展望したときに、税務署や社会保険事務所などは当市にとって必置の機関であります。そして、市民から設置を望む声が非常に多いのであります。 次に、盛岡地方法務局北上出張所は、変わらぬままの出張所であります。昭和37年から市が北上工業団地の造成に着手し、以来、今日の南部工業団地の造成、あるいは区画整理事業の施行や民間住宅団地の造成などが進みまして、北上市の登記関係の件数が増大し、法務局では格が一段上の花巻、水沢両支局を大きく上回っております。これらの状況の上に、本年6月1日からは沢内出張所が北上出張所に統合になりまして、一層ふくそうすることになります。 この際申し上げたいことは、今後ますます発展する北上市の住民の窓口となる税務署、あるいは社会保険事務所もそうでございますが、これらの設置と法務局北上出張所を支局として内容の充実を図り、住民のサービスの向上のため関係方面に強く働きかけるべきだと思います。これらの実現は、新しい北上市となった今が最良の機会と思うのであります。市長のこのことに対する取り組み方についてお伺いいたします。 次に、北上駅東口周辺の開発計画のその後について、経過及び今後の見通しについて質問いたします。 昭和60年、北上駅を中心とした東北本線下の立体交差、ガードでありますが、3路線が完成しまして、かつての開かずの踏切が取り払われて、一挙に東北本線を境にした東西の流れが急増したのであります。それから数年にして、現在工事中の新珊瑚橋は着々と橋脚の工事が進み、その姿をあらわしてきておりますが、やがて完成の暁には、国道107号線の利用が著しく増加することは論をまたないところでありまして、横断高速道秋田線と東西を結ぶ重要な路線であります。 このことによって、東部地域の開発に大きな望み、期待が持たれることになったのであります。例えば、口内地区の公営住宅団地の造成や、第三セクターによる大遊園地の構想が打ち出され、それに民間による住宅団地、ゴルフ場なども取りざたされておりますが、このような東部はもちろんのこと、上野町、北上工業団地、二子、更木、あるいは県中央部などの玄関口とも言うべき北上駅東口周辺の用地を、昭和62年1月14日に国際興業株式会社に8,264.34平方メートル、また、63年11月28日には、小平興業株式会社に3,327平方メートルをそれぞれ処分しております。この内容につきましては、議員全員協議会で、あるいはまた市議会本会議でそれぞれ質疑を重ねて承知しております。 例えば、土地の利用目的は、国際興業株式会社は広域観光ルートの拠点機能整備のための設備用地として、また、小平興業株式会社は、秋田県森岳地区に造成中のゴルフ場への東京を中心とした関東など他地区からの中継基地としての施設の用地ということであります。当時、計画実行の日程等は明らかにされておりませんでしたが、しかし、用地を処分してから既に4年ないし3年を経過しております。現状を見ますと、国際興業株式会社用地には、夏油高原開発株式会社のプレハブ建ての事務所1棟とバス数台が駐車しているのみでございます。また、小平興業株式会社用地には、小平興業株式会社の社名と、管理北上興業株式会社の社名を併記した看板が立っているだけでございます。先ほど申し上げましたように、用地を処分してから数年を経ておりますので、当然に開発の青写真が立てられていると思います。開発計画については、市と協議するという覚書が取り交わされておりますし、市との協議があったものと思いますので、その内容についてお伺いします。もし、まだ協議が全くないとすれば、どんな理由からでしょうか。 以上、2件について、私の質問を終わります。御答弁をお願いいたします。 ○議長(昆野市右ェ門君) 市長。   (市長 高橋盛吉君 登壇) ◎市長(高橋盛吉君) 小沢幸三郎議員の御質問にお答えいたします。 まず、国・県の機関の設置等についてでありますが、北上市は人口規模では県内第2位、農業あるいは工業については県内第1位という地位を占めるようになりましたが、都市機能という面ではまだまだ不十分でございます。都市機能の中でも、特に官公署の設置は、市民生活、事業活動にとって密接なかかわりを持つものでありますので、今後、国・県の動向を注視しながら、その実現に向けて適切に対処してまいりたいと考えております。その中には、税務署あるいは社会保険事務所あるいは地方法務局の支局というようなこともございますが、ただ、これに伴って他市町村に既に配置してあるものが廃止されるというようなことになると、いろいろ問題も出てくると思いますので、重点としては、新しく設置される国・県の機能は、これはいち早く情報を得て、誘致に努力してまいらなければならないというふうに考えております。 次に、北上駅東の開発についてでありますが、旧北上市は北上駅東用地を昭和62年1月に国際興業株式会社に8,624平米を処分し、また、昭和63年11月には小平興業株式会社に3,327平米をそれぞれ処分いたしております。この処分地に対する両者の土地利用計画につきましては、取得時の計画を踏まえ、それぞれ構想が立てられ、説明もありました。両者の構想概要を申し上げますと、国際興業株式会社では、機能の構成として、交通ターミナル、ホテル、余暇利用施設、飲食・ショッピング施設、その他市の要請した機能を含めた建築物を考えておるようであります。小平興業株式会社では、リゾート型マンション、健康増進・地域情報文化サービスターミナル等の機能を複合した建築物とするということを考えておるようであります。ただ、いずれの構想も実現のためには、現在の都市計画の用途指定、近隣商業地域、容積率は敷地の2倍、商業地域、容積率は敷地の4倍に変更されたいとの要請がありますので、これは駅東地区全体の開発を含め、用途の見直しを進める必要がございまして、これは県とも協議をしておるところでございまして、これをできるだけ早く実現するように努力いたしたいと考えております。 以上であります。 ○議長(昆野市右ェ門君) 35番。 ◆35番(小沢幸三郎君) 最初の国・県等の機関については、隣接市町村の配置についてかなり配慮しているという感じを受けるわけでありますが、全くそのとおりだと思います。ただ、かつて家畜保健所あるいは専売公社、こういったものが北上市からどんと持っていかれたこともあるわけです。ですから、本当の意味の行政改革とすれば、3つを1つにすれば非常にいい形になるなと思いますが、それまで統合というようなことも考えて取り組みの姿勢があってしかるべきじゃないかという気がしますけれども、先ほど市長は、かなり遠慮した答弁をなさっておりますけれども、本当の意味の行政改革であるとすれば、統合まで考えるべきじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。 それから、法務局につきましても、非常に件数が多くなりまして、両隣の支局には遠慮する必要はないと思いますので、これは強く、強く国に要望して、支局に昇格させて、内容の充実を図るべきじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。 それから、国際興業と小平興業の関係でございますが、先ほど、用途地域の関係の説明がありまして、私は、あの当時、詳しくそのことまで聞いたかどうか、今はちょっとあれですが、そのことも承知しながらの用地売買であったのでしょうか。 それから、年数がどんどんたちまして、非常に高層ビルが建つわけでありますから、先ほど市長が申された、例えばバスターミナルビルとか観光物産センター、こういったものは議会でも聞きましたったけれども、こういったものでも物足りないことになるのではないでしょうか。それで、用途地域の変更が必要だとすれば、年数がどの程度かかるようになるでしょうか。 以上、質問いたします。 ○議長(昆野市右ェ門君) 市長。 ◎市長(高橋盛吉君) 先ほど、専売公社等の例もあるので余り遠慮しなくていいんじゃないかという御趣旨に承りましたので、これは必要性はそれぞれの所管庁に対しては主張してまいりたいと思っております。 最近の例を見ますと、官公庁とは逆に民間企業の方がむしろ北上に移転してくるという例が多くなっておりますので、その辺の実情も説明しながら、今後の配慮を要望したいと考えております。 それから、法務局の支局は全く遠慮する必要がないということでございますので、これはよく調査して、積極的に誘致を図ってまいりたいというふうに思います。 それから、用途地域の指定につきまして、今、いろいろ協議しておりますが、そう長い期間はかけないで改正をしてもらいたいと思っております。今、年数はちょっと確定的に申し上げられませんが、そう長い期間をかけないで県との話し合いを進めさせてもらいたいというふうに思っております。 ○議長(昆野市右ェ門君) 35番。 ◆35番(小沢幸三郎君) 再々質問でありますけれども、合併によりまして、ややもすれば庁舎の位置の問題、あるいは夏油高原リゾート開発、こういったようなことで目が西の方に注がれつつありますので、どうか、東部の方の開発につきましても積極的な取り組みをお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。 ○議長(昆野市右ェ門君) 市長。 ◎市長(高橋盛吉君) 新市のこれからのまちづくりに当たっては、それぞれの特色を生かして、バランスを考えながら進める必要があると思っておりますので、どちらが重点ということはないようにしてまいりたいと思っております。東部についても十分努力をさせてもらいたいと思います。 ○議長(昆野市右ェ門君) 35番小沢幸三郎君の質問を終結いたします。 休憩いたします。      午後3時16分 休憩---------------------------------------      午後3時17分 再開 ○議長(昆野市右ェ門君) 再開いたします。 お諮りいたします。本日の会議はこれにてとどめ、延会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。   (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長(昆野市右ェ門君) 御異議なしと認めます。よって、本日はこれをもって延会といたします。 明日は午前10時に開きます。      午後3時18分 延会...